◆日程:2023/7/21-23
◆形態:岩登り
◆人数:3名(H本、M上、N谷)
◆ルート(予定):
7/21室堂~別山乗越~剣沢キャンプ場(泊)
7/22~長次郎谷出合~八ツ峰5・6のコル~八ツ峰の頭~池ノ谷乗越~剣岳~剣沢キャンプ場
7/23剣沢キャンプ場~別山乗越~室堂
(記録:M上)
剱岳は2年前から計画はしていたのですが8月の計画でしたので長次郎雪渓の状態が悪く富山県警からも自粛の要請などありまして今年7月に再度計画し出かけました。
当初は具体的にどこを登るか決まっていませんでしたが最終的にN谷さんの希望もありリーダーが八ッ峰5・6のコルから八ッ峰の頭、池谷乗越に下って本峰を経由して剣沢キャンプ場に戻る計画になりました。かなり長いルートを平均年齢を高くしているのは私なのですが高齢者と言っても過言ではないパーティーで1日で行けるか。でも歩くことができれば素晴らしい山行のになると思いました。
21日 当初は1週間前の計画でしたが天候が悪く翌週に延ばしての計画になりました。そのため予備日なしの2泊3日の日程になりました。
北陸新幹線で富山まで。今回メンバーは全員「大人の休日クラブ」を使っての乗車です。平日とあってアルペンルートの混み合いもなく予定どおりの時間で11:30室堂ターミナル到着。ロープ2本と登攀用具、キャンプ用具で各自久々に荷物は重たいのですが今日は剣沢キャンプ場までなので何とかなりそうです。剣沢キャンプ場15:30着。テントは少なく早々にH本さんがテントの申し込みと山の状態を調べるために県警の事務所に行ってくれました。長次郎雪渓はスムーズには登れない状態で時間がかかりそう。夕食後明日の出発は3:00ということになりました。
22日 2:00過ぎ起床です。朝食を食べ支度をし3:30真っ暗な道を剣沢雪渓に下ります。長次郎出合いに5:00で明るくなってきましたがやはり7月なのにもう出合いは沢が露出し左の斜面を巻いて雪面にでました。しばらく登ると左側のスラブが露出し雪渓は切れていましたのでスラブに取りつき一段上に上がり流れを渡って上の雪渓に上がりました。
熊の岩に近づくと上の状態が良くわかり池ノ谷乗越には雪が途中で切れています。我々は5・6のコルに上がりますが雪は無くガレの斜面を登って行くことに。スラブの通過やガレ場の登りそれに多分我々の登りの遅さも加わって少し時間がかかって8:30過ぎ6峰の斜面に取りつきました。
リードはH本さんでロープは2本使い同時にN谷さんと私が登りますが上のH本さんは二人の確保で疲れたでしょう。
3ピッチほど登って6峰の頭の下に11:00に着きました。疲れも有ったので少し長めの休憩をもらってこれからのコースの事を考えますが時間を見ると予定の八ッ峰の頭に到着12:00は難しくなりました。元気なN谷さんは6峰の頭を踏んでくると登って行きましたが我々の少し先を登っていた3人パーティーもCフェースを登り先を登るようで通り過ぎて行きますが少しお疲れの様でした。
我々はこのまま進むと途中ビバークになる可能性が大きく今回は2泊3日の日程でしたからビバークすると明日の行動がかなりきつくなって我々には難しいということもありリーダー判断で6峰から下ることになりました。
視界不良気味で少し下るとルートがわかりにくなりました。上から下ってきたチンネ左稜を登ってきたというガイドパーティーも探している様。我々はN谷さんのGPSログのおかげでルートがわかりそこから懸垂を3回ほどしてコルに下れましたがロープが2本あるのでスムーズに下れました。ガレから雪渓を下り途中のスラブに。下りはロープを出してもらって多少時間がかかりましたが無事通過。剣沢との出合いに着いたのは15:30。ここからまだ登り返しが高度差で約600m。18:20キャンプ場に着きました。
行動15時間の1日でかなり疲れました。でも私には八ッ峰の頭には立つことはできませんでしたが十分剱岳を楽しんだ1日になりました。遅くなっての夕食でN谷さんのカレー作りに話が弾んで隣のテントからうるさくて眠れないと苦情が。
24日 隣の苦情のテントはもうありませんでした。のんびり撤収して8:00に出発です。剣御前の登り返しも室堂キャンプ場までの下りも予定の時間で下れましたがキャンプ場からバスターミナルまでの登りのつらいこと。11:30ターミナルに到着。まだ午前中なのでアルペンルートもさほど込み合うこともなく立山駅に到着。近くのホテルで汗を流し帰路に着きました。
天候に恵まれた3日間でした。山はあまり気温が高くなかったのは助かりましたし2人の面倒を見てくれたリーダーには感謝です。
個人的なかなり古い話をすると八ッ峰に登るのは半世紀ぶりでした。かすかな記憶ですがかなり上まで雪の斜面を登ったしCフェースはシュルンドを渡って取りついた記憶がありました。10数年前の夏に長次郎から池ノ谷乗越に登った時も乗越までスムーズに雪の斜面を登りました。しかし最近の雪の少なさは驚きです。異常気象なのか、地球温暖化なのか、自然のサイクルか。剣はいつまでも雪の似合う山であってほしいです。