御坂 芦川横沢 沢登り

◆日程:2023/8/11
◆形態:沢登り
◆人数:2名(N山、H多)
◆ルート: 
 国道385号発電所前-ゴルジュ入口-不動滝-二俣-登山道-発電所前

(記録 N山)

 お盆渋滞の予想は中央道45㎞。相模湖から先は何とかなるようなので、裏道を駆使して上野原IC近くにひょっこりと出た。甲府南までは渋滞こそなかったものの、トイレに立ち寄ろうとするのは皆同じで、甲府南ICの数百m手前のPAでようやく立ち寄れた。タンク開放!
 さて、今日私たちが登るのは芦川横沢。やたらと暑いので、ホラの貝ゴルジュに行くことも考えたが、クライマーH多と二人なので、登攀的な方が良いかと思い横沢にした。
 計画書では一応稜線まで上がることにしていたが殆どその気はなく、「核心超えたらさっさと下山して絶景温泉「みたまの湯」に行きます。」と取り付きであるミニ発電所近くの駐車帯に着いた瞬間に宣言した。最近、夏バテで耐力と体力ともに下降線。この暑さの中、水が無くなったツメを登るとかちょっと勘弁・・・。
 入渓点は本当に貧弱でクソ沢の雰囲気がプンプン漂っていたが、小滝が現れだすとだんだんと沢登りらしくなってきた。H多が暑い暑いと文句を言っているのでセカンドで登っている最中に、ヘルメットで水3杯分位ぶっかけたら「ふざけんなよ」って感謝された。
 この沢、どの記録を見てもヌメりがひどいとか、フェルト推奨とか書かれているが、今日はラバーソールがきゅっと決まり心地よい。今日の足回りはH多フェルトで、N山は思う所ありで右足フェルト左足ラバー。遡行図の4×6mと12mくの字滝でロープを出したが、ヌメりが少なかったので結果的には必要なかったかも。

12mくの字滝

 ゴルジュに入り核心の8mCSが見えたところで一休み。深いゴルジュではないので、木漏れ日が水面まで届いて心地よい。山の装備議論などしながら私的トレンドのバター入り圧縮ロールパンを頬張る。
 核心の8mCSは左、流心、右と3通りのルートがあるようだが、左と流心は少し見てさっさと諦め、右壁トラバースルートを選択する。今日左足をラバーにしたのは、実はこのトラバースの核心の一歩のためなので本当は迷う必要などないのだけど。滝の手前5m位から右壁を這い上がり、巨岩の横クラックに1個目のカムで支点をとり、巨岩のアンダーでトラバース。アンダーホールドのクラックもステップもしっかりしており問題なし。やはり核心は斜面になっている側壁へ上がる一歩。地上1mであれば何でもない感じだけど、2個目のカムで支点をとった後、左足に立ちこむのに結構躊躇した。そこからはヌメりが多少あるが恐怖感はない。豊富な残置ハーケンとカムの入れやすいクラックで細かく支点をとり、落ち口まではすんなり。終了点の左岸にあった残置ハーケン2枚を使わせてもらう。さてフォローのH多。最初の一歩で岩を剥がして絶叫した以外はさくさくと上がってきて、核心部についても私が必死こいて靴まで工夫したのに、全く違うステップを見つけて通過。ビレイやめて追加で水をぶっかけたくなったが、一見ヌメっているところで躊躇しており、おじさんちょこっと嬉しかった。

8mCS滝 トラバースをほぼ終えたところ


 ゴルジュ出口の5mCSの右岸バンドは、ロープを使用した方がよいと遡行図に記載があるが、落ち葉が堆積する春先と秋の話かも。
 ゴルジュを出るとすぐに不動滝が見える。遠目にはちょっと登れる感じがしないが、下まで行けばルートが見えてくる。50mロープなら1Pとのことであるが、今日は30mロープでかつコミュニケーション怪しめのパーティなので、結果的に逆Z字型で3ピッチとなった。終始水が降っている感じになりそうなのでN山は黙って雨具を着こむ。

不動滝 威圧感あります

1P目、H多リードで右上し滝の右端でカムとハーケンでビレイ。2P目N山リードでバンドを左上し、水流を避けて岩の下でカム+ハーケン+残置ハーケンで支点構築。3P目、順番から言えばH多リードなのだが、メイク崩れを気にしてかリードを譲られる。仕方なく、ジャバジャバと水流を浴びつつ、楽しくて喜びの雄叫びを上げながら登った。しかし一箇所、体をルンゼ状のから外に出すところがあり、そこだけはお尻の穴がキュっと締まった。終了点でアングルハーケンとカムで支点をつくり、メイクを整えてからH多を迎える。

不動滝1P目 H多リード

 安全地帯まで上がり、「快適快適。結局上着はほとんど濡れてないし」と雨具を脱いだ瞬間、「雨具を着るアドバイスくらいしなさいよ。ボケ野郎!(脚色あり)」とヘルメット3杯分以上の報復の水を浴びる。   

 ここから沢は完全に癒し系にかわりしばらくナメ。分岐で右に入るとまたクソ沢の雰囲気に逆戻り。すぐに 崩壊して端しか通れない一休橋が出現して下部終了。
 下山は708ポコの西側のコルに上がり、北東向きに踏み跡がついているがこれは偽物で、北西に向かって降りていく道が正解。のどかな感じの集落が対岸に望める場所に降りてくる。下山は車道含めて約1時間弱。一番暑い盛りに降りてきてしまったが、なかなかイベントが詰まっており充実した遡行だった。熱したフライパンのような道路で乾かしものをして、みたまの湯に向かった。

乾かし中 


 N山念願の「みたまの湯」に入り、甲府盆地の絶景を見ながら満足感に浸っていたら館内放送。「ピンポーン 湘南502むXXXX ハザードランプが点けっ放しです。(バッカじゃないの)」 まあハザードなら半日くらいは大丈夫だよと思いつつも、何度も呼び出されたら恥ずかしいので、ハザードを消すためにさっさと風呂から上がった。今度は隣の芦川濁沢あたりに行ったときにでもこの温泉、再訪したい。なんでもここからの甲府盆地の夜景は、「日本夜景遺産認定」とかで、夜景で遺産って少しおかしくないか と思うのだが・・・夜も(が)良いらしい。帰路は渋滞に備えてコンビニでお菓子やジュースを一人500円以内で買いこむはずであったが、ノンアルビールを買って500円を超えてしまったH多は、先生に怒られていた。おそらく・・・35℃を越えている甲府盆地に別れを告げ、定番の百恵ベストを歌いながら中央道を上った。

国道385号発電所前9:10-ゴルジュ入口10:00-不動滝11:30-二俣-登山道12:40-発電所前13:30

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