越後三山 八海山 積雪期登山

◆日程:2022/12/3-4
◆形態:積雪期登山
◆人数2名 (N野、Y浦)
◆ルート:新開道ー八海山スキー場(阿寺山周遊から下山路変更)

(報告:N野)
12/2金 和光市ー登山口
 22:00和光市駅集合。高速に「湯沢~積雪注意」と表示が出て、トンネルを抜けるとガスで真っ白。レンタカーはノーマルタイヤなので、まさか登山口まで辿り着けない?なんて悪い想像をする。
 六日町ICを降りたCVSで方針を再確認。道の駅でヌクヌク仮眠も魅力的だったが、朝の路面凍結を回避すべく今夜のうちに登山口に向かう。
 八海山スキー場を分岐して間もなく、路面に白いものが。登山口数100m手前の勾配地で真っ白になってる。君子危うきに寄らず、と路肩の空き地に駐車・仮眠する。星が美しい。01:30着・仮眠。

12/3土 登山口ー新開道ー千本槍避難小屋
 07:30カップ麺を食べて出発。ワカンは残置・スコップも一丁に。蒼天に雪がついた主稜線が赤岳鉱泉からの大同心のよう。間もなく屛風道と分けるが、標識があるわけでもなく。右手車道を進む。積雪の沢筋なので、登山道か判然としなくて、心もとないこと甚だしい。沢を抜けた七合目の標識で漸く安心。
 積雪はラッセルほどではないが、路面が見えないので滑る。アイゼンを付けるがダンゴが激しい。稲荷清水は雪で埋まって流れていない。アイゼンを外して少しはペースが上がるが、今度は陽射しで暑く汗をかく。
 P1268mで12時ころ。けっこう掛かっている。
 14時にう回路分岐・左巻きの明確なピンクテープに出る。アイゼン・ハーネスを付けて入る。薄雪でとにかくルートがわからない。積もり具合でルートらしくは見えるが、岩の側壁・ルンゼのトラバースは神経を使う。雪崩れるほどの積雪ではないが、足元の岩が積雪で見えないのでなんともおぼつかない。細枝・笹をつかみピックを刺して進む。
 15時、傾斜が緩んで主稜線に千本槍小屋のポールが見えてホッとする。ところがM浦さんiPADでは1/4も来ていないとのこと。まさかと思って進むと間もなく、また急傾斜・ルンゼの巻きが連続する。ロープ確保か?と手元を探ると鎖が出てくる。以降鎖を掘り出しながら進む。ひたすら長いトラバースに、鎖登下降もある。ポールと思しきは枯れ木でとうに過ぎる・屏風道の尾根がまだ遠くに見える、ということは小屋もまだ先。ゲンナリする間もなくガスが上がってくる。ヘッデンか?ビバーク?勘弁してくれよと思っているうち、主稜線にようやく乗る。進むうちに夕日が刻々と下に削れていく。ヘッデン出そうか、とザックを下ろしたら、ガスの向こうに本物の小屋のポールが見えた。
 16:30日没と同時に小屋着。避難小屋は開いていた。汗とひざ下ラッセルで二人ともずぶ濡れ。梁を利用してツエルトを吊り、狭いがコンロで乾かす。乾杯して食事して水を1.5L作って早々に寝る。月明りで明るく、里の灯が美しい。

12/4日 避難小屋ーRW整備道・スキー場
 06:00起床、曇り・それでも視界はある。昨日のペースから阿寺は早々に断念。そもそもう回路から阿寺に向かう分岐がわからなかった。往路を戻るのは凍結している分昨日よりは安全だろうが、鎖のトラバースを復習するのも気が滅入る。ということで、エスケープ案外ではあったがスキー場に下りることにして、MLに変更連絡入れる。
 07:30 利用料を払い出発。薬師岳からトレース・女人堂に泊まっていた模様。小屋は2階に梯子で上がれる。トレースは四合半で大倉・荒金に別れたが、四合からはスキー場からのトレースが出る。既に細雨、RW山頂駅では本降りになる。車の回収にN野が整備道を先行し、スキー場施設着 11:30。荷ほどきしていると中からスキー場の人が「自販機使うなら社員通用口から入ればあるよ」と声を掛けてくれた。コーラが旨い。靴を履き替えて、蕭々と雨が降るなか車まで一走り。12:30M浦さん合流・握手。
 
五十沢温泉さくりの温泉(440円
025-774-2802)は湯質が良い・天ぷら定食1,000円はボリュームあり大満足。渋滞あったが18:00に和光市駅着・解散。

装備:ツエルト、ガス中(消費1/2)、鍋小、ロープ8mm20M二本(非使用)

所感;
初冬の雪山は難しい。「雪があったらいいな」「あっても主稜線程度だろう」と当初想定していたが、裏切られた;
・直近の天気で雪はあると確信していたが、う回路までは雪なくコースタイムで行けると想定していた。着いてみると取り付きから積雪。ワカンほどのラッセルではないにしても、足元が見えない・アイゼンがダンゴ・春山の暑さと、地味にペースを落とされた。
・う回路が難所・鎖場とは知ってはいたが、ルートは見える・鎖が出る・確保もできる、と想定していた。実際には積雪でルートが判然とせず、鎖も前半は気づけず、ロープ確保は支点がなかった。
・テントもないので避難小屋を目指すしかなく。う回路途中で日暮れ・ヘッデン・ビバークなんて目も当てられない。
・そもそも高速下りるまでタイヤに頭が廻ってなかった。同行が山慣れたM浦さんだったからよかったが。そうでなかったらパニくられても仕方ない。南八主稜線・横岳的なイメージを持っていたが、総じて甘かった。計画立案が11月初旬であったから、とは言い訳にもならないが。直近の降雪を冷静に再分析できていなかったのは事実で。ちなみに現地アメダスデータ(十日町)を後述するが。積雪は12/1-2と入山直前であった模様。
 厳冬期でも残雪期でもなく。12月上旬の冬山は悪い方の条件を想定するべき、と反省。それはそれとして、八海山はよい山だ。魚沼平原が美しく、里からはアプローチが近い。次回はRWか荒金から女人堂幕営ー阿寺山縦走を実現したい。

年月日    最高(℃)     最低(℃)    降水量計(mm)    実地現況
2022/11/23  10.5      4.8       16.0
2022/11/24  12.9      8.8       24.0
2022/11/25  15.0      6.1       1.0
2022/11/26  19.5      4.4       13.5
2022/11/27  10.9      2.3       5.5
2022/11/28  15.4      0.5       0.0
2022/11/29  20.9      12.2      8.5
2022/11/30  14.4      4.0       5.5
2022/12/1   6.0       3.3      6.0
2022/12/2   3.6       -0.4      39.0    麓積雪
2022/12/3   10.0      -2.1       0.0     稜線ひざ下
2022/12/4   8.3       0.8      15.0    麓雨

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