奥秩父 東のナメ沢 沢登り

◆日程: 2024/5/4
◆形態: 沢登り
◆人数: 4名 (N山、H多、H本、S口)
◆ルート: みとみ道の駅-東ノナメ沢出合-大滝上-東のナメ沢出合-みとみ道の駅

 クライマーH多さんと二人なので、例によって登攀的な沢をということで、前日及び当日の天気が良ければ「ド」スラブ沢の東のナメ沢、そうでなければ濁沢に行くことにした。GWの笠ヶ岳隊が中止になり、H本さん、S口さんも合流して4人パーティとなった。前々日は一日雨が降っていたが、前日はスカっと晴れ、当日も天気がよさそうなので行先は東のナメ沢に決定した。最初は2人パーティを2つと考えていたが、装備が増えるしハーケンを打ったり抜いたりの時間も無駄になるので、1番手がロープを2本引いてリードし、2、3番手が同時登攀、4番手を確保しているときに1番手も同時に次のピッチを登るという形にした。みとみ道の駅に前日集合して12時まで前夜祭。夜中は結構気温が下がってシュラフカバーだけでは寒かった。
 当日は良い天気。途中まで西沢渓谷の遊歩道と同じ道を行くが、東沢を渡ったところで一般登山道から外れて川沿いに進む。鶏冠谷を過ぎると左岸に道がついており、ホラの貝のゴルジュ前まで結構高く巻き上がる道を歩く。ホラの貝のゴルジュで一服。ここからまた高く巻き上がる。様々な方向に踏み跡があり下を見て歩いていると間違える。山の神で手を合わせると川沿いに降りる。山の神からしばらく踏み跡があるが崩れていたり急坂だったりで結構怖い。途中からは完全に沢登りとなり、渡渉が必要になりモモまで濡れる。東御築江(ヒガシオツクエ)沢を右手に見送り、乙女の滝を左手にやり過ごすと、大きなスラブ滝が左岸に登場する。思わず「おーっ」と声がでる。朝の日に白く光ったスラブに一条の糸のような流れ。スラブ好きにはたまらん。映えると萌えるでモバえる感じ。
 取り付きで2人はクライミングシューズに履き替え、二人はそのまま沢靴のラバーソールのままで登りだす。100m位はスタスタと快適なフリクションで登る。

【1P目】
 ネット上の各記録では右岸のボルト3本(今回は1本リングボルトが抜けており、抜けそうなリングボルトとRCCの2本)のところまでフリーで行くパーティが多いようだが、我々は躊躇せずに手前で残置ハーケンに1本打ち足して、ボルト3連打のところまでを1ピッチ目とした。支点がほとんどとれないのでロープは気休めでしかないが、150mの滑り台を下までは転がらないという安心感がある。

【2P目】
 ボルト3本改めボルト2本から2ピッチ目スタート。支点が見当たらないので、バンドを左上してしっかりした立ち木で支点を一本とり直上する。ところどころ濡れているので、乾いているところをつないで、壁手前5mの立ち木と残置ハーケンでピッチを切る。

【3P目】
 5mほど上がって壁沿いを右上する。濡れていたら核心となるピッチらしい。草付きと乾いた場所を拾って進むことができ簡単。核心となるクラックまでロープが届かず。手前の立ち木でピッチを切る。
【4P目】
 3P目終了点から壁沿いを15mでクラックの下まで。残置ピンにアングルハーケンとカムで支点を作る。ここも濡れていたら嫌な感じになるだろう。
【5P目】
 クラックを登る。残置ハーケンとカムで支点がとれる。クラックを右上して、バンドを左に3m程移動、この後のスラブが核心であるが比較的しっかりしたリングボルトがあり恐怖感は少なく、一歩立ちこめばガバがとれる。そのあとはフリクションの良い緩いスラブを再度右上する。水流の手前に小さな木が3本ありそれを支点とする。

【6P目】
 左岸に渡る前ピッチを切ったのは、流れの左が簡単に登れそうだったからなのだが、お試しで近づいてみるとフリクションが効かない。岩が粉を吹いているような感じなのだ。たまらずギブアップ宣言。クライムダウンして流れを横切って水流の右側のバンドを右上する。途中しっかりした枝で支点がとれる。樹林帯に入り木を終了点とした。

 アプローチは各記録より時間がかかってしまったが、登攀自体は4人だったにも関わらず標準タイムで行けたようだ。この先鶏冠尾根まで抜けるのが正規の沢登りルートで時間的にもなんとかなりそうであるが、例によって登るのが面倒くさくなり懸垂下降することにした。登ってきたルートを6ピッチとフリーで登ったルートを1ピッチ、計7ピッチ。そこから樹林帯に入り取り付きに戻った。
 下山は同じルートであるが、山の神でお礼参りのあと少し道に迷った。山の神からルンゼを一つ越えると川沿いにしっかりした踏み跡、上は古いテープこそあるがちょっと道っぽくない。
真っすぐ行くと50m程で河原に降りてしまう。こっち(河原)からも行けるかもと偵察もしてみたが、結局戻って古いテープのある上部へ続く道に戻った。このあとは迷いはしなかったが、長いアップダウンのある下山路で結構足にくる。「たぶんもう来ないな」とH本さん。そんな寂しいこと言わずにまたこの辺のスラブ沢行きましょう。
 西沢渓谷への道に合流すると、結構まだ観光客がいる。ただほとんどは外国人で様々な言葉が飛び交っていた。 立ち寄り温泉はみとみ笛吹の湯。ここで汗を流して解散した。

みとみ道の駅6:00-東ノナメ沢出合9:20-12:10大滝上12:40-東のナメ沢出合15:20-みとみ道の駅18:00

東のナメ沢 300mスラブ滝全容

最初はスタスタと

乾いているとことは快適に登れる

4P目のクラックからスラブ

最終ピッチ前 遥か下に東沢が見える

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