十勝連峰 十勝岳 山スキー

◆日程: 2024/2/19~23
◆形態: 山スキー
◆人数: 3名 (M上、Y科、他1名)
◆ルート:
19日 白銀荘-前十勝岳カワバラ尾根-往路を戻る-白銀荘(バス)-凌雲閣(泊)  
20日 凌雲閣-上富良野岳D尾根-富良野岳北尾根1450m-往路を戻る-凌雲閣(泊) 
21日 停滞 凌雲閣(泊)
22日 凌雲閣(バス)-白銀荘-三段山2段目-往路を戻る-白銀荘(泊)
23日 白銀荘-十勝岳グラウンド火口1650m-往路を戻る-白銀荘(泊)
24日 銀座山の会メンバーと合流

(報告:M上)

 昨年と同時期に北海道に出かけました。2年続けて旭岳を目指しましたが天候に恵まれず上手く登れませんでした。そこで今年は気分を変えて同じ大雪山系の十勝岳に行くことにしました。メンバー3名で皆高齢者に属しますが山スキー好きは変わりません。

 18日:旭川駅で集合、2日ほど自炊の白銀荘泊まりがあるので食材と各々好きなお酒を買い込んで上富良野に向かいました。夕刻前の町営バスで白銀荘へ。今年も冬の間は無料のバスですが昨年に比べて雪は少なく感じました。到着後別グループの知人たちと談笑、これも昨年と同じで今日は気温は高いものの天候も雪も良かったそうです。

 19日:白銀荘は昨夜1泊の予約だったので荷物を片付けて前十勝岳カワバラ尾根に行くことにしました。気温がかなり上がって尾根に取りつきましたが風も増してきました。樹林の斜面を過ぎるあたりで一人が風で倒されたためここまでとして滑り下りましたが何処もモナカになりそうな斜面で快適とは言えませんでした。白銀荘に戻り午後のバスで本日から3日間お世話になる凌雲閣に。凌雲閣は白銀荘より300mほど高度が上がります。  
   

                                      
 20日:昨日風で倒されたK久保さんがまだ痛むようなので本日はY科さんと二人です。
どこか初めてのところが良いと思い宿の裏手から沢に下って最初の上富良野岳D尾根(名称は間違いかも)に取りつき次の沢を渡って富良野岳北尾根を登ることにしました。  
 宿の裏手に流れるヌツカクシ富良野川までは20mくらいの急斜面です。先行していた外国人パーティはツボ足で下ったようですが我々は横滑りで下りました。スノーブリッジを渡ってD尾根に取りつきます。トレースはあるものの所々アイス状態のところがあり上部斜面まで気が抜けません。トラバース気味に巻きながら登ると三峰山沢の上部に、ここは広い雪原になり通り抜けて北尾根に登りましたが1450mあたりまでくると視界が無くなり斜面も固くなってきたのでここから下ることに。気温は-15程度に下がりました。
 しばらく視界不良の中を滑って1300mあたりから北尾根とジャイアント尾根の間のベベルイ川の斜面を下ることに。昨日までの気温の上昇で緩んだ雪が固まった斜面に本日降った雪が積もった状態で深雪を楽しむとまでは行きませんが、でも気持ちの良い斜面なので下の堰堤近くまで私は登り返しを入れて2度滑りました。
 

    
 昨夜雨になってその後冷え込んだせいか霧氷が出来て景色はなかなか良いのですがグレーに染まった空は変わりません。先行していた別の外国人パーティは1300mあたりまで登ってそのままベベルイ川沿いを下り最後はジャイアント尾根の渡渉点に下ったようです。その後我々は北尾根からD尾根に滑り下り最初に渡ったスノーブリッジに下りました。ここからの登り返しが一苦労の様で先行の外国人はツボ足で登ていましたが我々はシールで登ってみることにしました。

 まずコース選びが重要。雪は20㎝位埋まる程度でしたが固い斜面の上に積もった雪なので崩さないように登るのに苦労しました。落ちるとか川底まで止まりそうもありません。4回程度ターンして宿の裏手に登りついて本日の山行は終わりました。本日の行動時間は5時間程度でしたがこの登りがこの日の一番のイベントでした。
 北尾根は上部は急になり富良野岳につながりますが途中の1400~1500mあたりから沢に下る斜面は滑るのに悪くありません。当然戻るには登り返しが付きますが尾根に取りつくのがあまりよくないので入る人が少ないのもあります。数人で行けばラッセルがあったとしても十分新雪滑りを楽しむことが出来るでしょう。
 ちなみに今回は1500mを超えたあたりからはどこも固い斜面で快適に滑るのは難しかったようで真冬は天候次第で雪が多く降れば状態もかなり変わってくるようですがそうなると雪崩の問題が出てきます。
      

 21日:本日は3人で通称崖尾根と言われる尾根伝いに三段山に登る計画にしていましたが天候が悪く上部は終日雲の中でしたので休養日にしました。透明の白銀荘のお湯と違い鉄分の多いかなり赤茶けたお湯につかりますが露天風呂からの眺めは良く長い湯にはちょうど良い温泉でした。ちなみに宿泊客は欧米人ばかりでした。

 22日:本日まで凌雲閣でしたが今晩はまた白銀荘で23日夕刻からT野さんパーティと
合流です。午前中崖尾根コースで三段山を計画していましたが天候はイマイチでお昼のバスで白銀荘に移動しました。何もしないのもと思い三段山の途中まで登ることに。4時までに戻るつもりで出かけました。2段目まで登って滑り下りましたが気温が下がり気持ちよく滑りました。おかげで美味しいビールが飲めましたが夜喉が痛くなり咳が止まらなくなりました。かなり乾燥した部屋に長くいたせいでしょうか。

 23日:我々の最後の日になりました。これまでのグレーの空が本日は青空が広がります。
目的だった十勝岳に登ることにしましたが本日帰るK久保さんと昨日転んだ拍子に足を痛めたY科さんは中止で私一人で登ることにしました。7時過ぎ出発、十勝岳の広い雪原を

横切りながら少しづつ高度を上げると時々雪の下に岩が。帰りは注意が必要と思いながら高度を稼ぎました。1650mまで登てグランド火口付近までくると風も強く前十勝岳の噴煙が空を覆います。気温もかなり下がって多分-20以下にはなっているようで指の先が痛くなってきました。油断してインナーグローブが薄かったようです。

 山頂に行くかどうかですが、いろいろ降る理由も探します。結果は指の痛さと多少体調が悪いのと噴煙と雪煙が混じった空に山頂まで行く気持ちが萎えてしまい1650mから下ることにしました。私の年齢では真冬の十勝岳山頂はどうも精神的に簡単ではありません。
 雪の吹き溜まった斜面を選びましたが時々岩にスキーが噛みながら正午前に白銀荘に下り今回の計画を終えました。


                           

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