◆日程:2023/11/2-3
◆形態:無雪期登山
◆人数:2名(M上 +1)
◆ルート:
2日:芝沢ゲート-易老渡-易老岳-イザルケ岳-光岳小屋(泊)
3日:-光岳-加加森山-池口岳ザラ薙-黒薙-池口山登山口(タクシー)-芝沢ゲート
(報告:村上)
南アルプスの主脈最南端の山、池口岳は以前から登ってみたいと思っていましたがアプローチの長さなどからなかなか行く機会がありませんでした。そこで昨年会員メンバーとの計画を立てましたが直前の途中の道の崩壊や天候の事もあって実現しませんでした。
先日、山仲間N村さんから車を出すので行こうとの誘いがあり出かけることにしました。個人的には光岳から池口岳とつないでみたい気持ちもあり飯田方面の易老渡から登り光岳を経由して加加森山、池口岳、黒薙、池口岳登山口のコースにしました。光岳には小屋がありまだ宿泊は出来ましたが食事と水と寝具の提供は終わっていました。
1日:午前中南町田で待ち合わせ中央道で飯田に向かい登山口易老渡手前の芝沢ゲートに着いたのは18時をすぎていました。以前は易老渡まで車が入りましたが道が崩壊して今は手前の芝沢ゲートまでしか入れません。平日で10数台の車が停まっていました。
2日:3時30分起床で朝食を済ませ4時35分出発しました。今日は我々高齢者2人のペースでは休憩も入れると9時間から10時間の距離で途中の易老渡岳までは高度にして1500mほどの急登が続きますから余裕をもっての出発にしました。
芝沢ゲートから易老渡登山口まで1時間少々道路と崩壊地の巻き道を進みました。易老渡で後ろから男女の若い人が、日帰りで光岳を目指すそうで我々にとっては羨ましい強さです。私は以前と言ってもかなり昔ですが畑薙ダムから信濃俣河内を経由して登ったことはありますがやはり11月で上部の滝が凍りだして沢靴で苦労した記憶のある山です。
易老渡から天気は良いのに日光の当たらない尾根を登り続け10時40分易老岳渡2354 mに着きました。ほぼコースタイム通りで多分空気の冷たさが助けてくれたのでしょう。見晴らしはありませんが光の当たる山頂で昼食を食べ次の山頂イザルヶ岳に向かいました。途中で易老渡で会った日帰りの男女とすれ違い女性は今から下りで大変だと言いながら快調に下って行きました。
イザルヶ岳は縦走路から少し離れていますがとても見晴らしの良い山で聖岳がひときわ大きく見えました。光小屋に14時20分到着。今回は小屋のポンプが稼働していないので水は用意してくれとのことでしたが最初の登山道わきの水場はすでに涸れ光小屋に到着後近くの水場に汲みに急斜面を下りました。往復で20分少々。建て直された小屋はなかなかきれいですが宿泊者18名限定なので予約が必要。休日で明日と明後日は満員だそうです。
夕食まで時間があります。明日は暗いうちからの出発で良く見えないので光岳2591m山頂に行くことにしました。100名山ですが眺望はありません。しばらく歩いて少し下ると大きな岩の塊の光岩があります。突き出たような岩ですから眺望は最高。明日行く双耳峰の池口岳が光を背に受けシルエットでそびえます。その後ろには南アルプス深南部の山が連なります。深南部の山も色々歩きましたが以前歩いた池口岳に尾根がつながる黒沢山、六呂場山、鎌薙、黒法師がどれなのかさっぱりわかりません。
小屋に戻り2階の寝室スペースに。各自1人用のベット形式で厚いマットが敷いてあり快適ですが布団はありませんから寝袋持参です。ただし有料で寝具は借りられるそう。
1階の食事スペースで各自食事を作り食べるのですが大きな窓の外には聖岳が見えていました。本日の宿泊は5~6人で食後はしばらく他のお客さんと談笑、熊の話が一番でした。そう言えば熊鈴を鳴らしながら歩く人が多かったように感じます。
3日:本日は長いので4時20分に出発しました。小屋には池口岳に行く人はどうもいないようで光岳を過ぎると道は細くなり踏み跡程度になってきました。急な斜面を300mほど下ると周りは鬱蒼とした森で井戸の底のような所の草地に到着。草で踏み跡が分からず探します。見つけては進むを繰り返しそれから100mほど登り返してピークを2つ超えて加加森山に8時10分到着、加加森山は縦走路から少し離れていますが三角点がありました。
そこから一旦下りまた上り詰めると池口岳に行くジャンクションピークに、看板があり縦走路から少し外れた池口岳を指していました。
10時15分池口岳北峰2392mに到着しました。一応目的の山には着きましたがそこから踏み跡を30分少々上り下りを繰り返して池口岳南峰に行きました。ここまでが今回の核心部だったようです。
同行のN村さんは300名山登頂者なので、すでに池口岳は登っているのですが池口岳登山口からの往復で余裕がなく南峰は登っていなかったそうで登りたかった希望がかなえられました。私は以前歩きたかった深南部の黒沢山から池口岳に続く尾根を見たかったのですがなかなか厳しそうでもうこの歳ではかなわない事になってしまいました。
※上の写真の中央は加加森山、右は光岳、左は遠く聖岳のようです。下の写真は池口岳南峰から見た北峰。
往復1時間少々で北方に戻ってお昼を食べ池口岳登山口に向かいますがここからが長い。
しかし道はしっかりしてきて地元山岳会が作ってくれた白いナンバー入りのプレートが出てきました。最近池口岳登山口から池口岳登る人が増えたようで平日ですが登山口から登ってきた数名の人と出会いました。しかしみな若者でこの辺ぴな所がそうしているのでしょう。
ここからザラ薙平、利検沢ノ頭、黒薙と続きますが上り下りはあるものの徐々に高度を下げてゆきました。ちなみに途中水場に下る看板が2か所ありましたが小屋での話では秋は涸れる可能性が高いそうです。心地よいテント場はありますから途中1泊すれば池口岳はゆっくり登れるでしょう。登山口に頼んだタクシーは17時なのでコースタイムではぎりぎりです。やがて少しくすんだオレンジ色の美しいカラマツ林が右に広がりそれが赤松の林になったころ16:50分登山口に着きました。地元に2台しかないタクシーが待っていてくれました。
ここから登り口の芝沢ゲートまで戻り車を回収します。タクシーはいったん国道まで下ってまた山を登りゲートに向かいますが運転手さんが地元の面白い話を色々聞かせてくれました。国道から芝沢ゲートに向かう途中に下栗というところがありますがここにスタジオジブリの宮崎監督が滞在して「千と千尋の神隠し」の構想を練ったそうで登場する「カオナシ」は近くの神社のお面からイメージを作ったそう。映画が出来上がって集落の人たちをスタジオジブリに招待したそうです。
1時間少々何度もカーブを曲がりやっと芝沢ゲートに暗くなって着きました。冬前最後の休日とあって駐車場には多くの車が。あふれた車が道の途中にも留まっていました。車を回収して今日は長野県最南部の遠山郷の宿に向かいます。また何度もカーブを曲がり20時前に宿に到着、秋葉街道と呼ばれる街道筋の温泉に入り今回の山行が終わりました。