北アルプス 霞沢岳西尾根 雪バリ

◆日程:2021/1/29~30
◆形態:雪バリエーション
◆人数:1名(+他会1名)
◆ルート:
1/29 坂巻温泉―砂防事務所―2000m幕地
1/30 幕地―2500m岩場―霞沢P-幕地・撤収・下山

報告:N野
1/29(金)
坂巻温泉―砂防事務所―2000m幕地
 霞沢岳西尾根。中学で読んだ村上もとかの漫画(「岳人列伝」。70年代っぽい山描写が好評・装丁版もあり。)で、なぜか印象に残っていた。藪の薄い厳冬期にと残していたら、年末にK脱さんにさらっと行かれてしまったので、慌てて後追いした。
 珍しく金曜朝発。ガラ空きの中央道で坂巻まで3.5時間ちょうど。坂巻温泉はコロナ閉鎖・駐車代が浮く。里は晴れていたが、島々に入ると風雪。寒いので10分で身支度整え10時出発。
 第一の核心、車道。冬でも工事ダンプが往来し、その上除雪で歩道は埋まり路面は凍結。この一時間が緊張する。釜トンネル入り口で上高地散策Pと会う。この釜トンネルは2005年開通の新しいほうなので、旧ほど怖くはない。それでも真ん中へんは照明が落ち、漆黒歩行を楽しめる。
 トンネルを出ると風雪厳しく。夢中で歩くうちなぜか砂防事務所看板を見落として大正池ホテルまででてしまう。戻って11:30に看板。これを見落とすとは大ボケも甚だしいが、序盤の凡ミスは慢心を諫める天啓と肝に銘じる。
 第二の核心、取り付きからのラッセル。年末のトレースが薄く残り、K脱さんに感謝しながら歩く。とはいえ下りトレースなので、歩幅が合わないととたんに埋まる。トレースに従い砂防事務所真裏ルンゼ状から尾根に上がる。結構な急傾斜だが、下山時には更に梓川側・尾根電柱からのルートができていたのでそちらが正規かも。
 ルートは基本尾根沿い。迷うことはないが、所々急だったり巻いたり。樹林帯だが藪もなく、ワカンもアイゼンも使わず寡雪でも歩けそう。終始北風が吹きつける。風が避けらる
幕地を探すが、どこも吹き曝し。2000m手前適地で、風下斜面を整地して気持ち風よけとして幕。13:30。

1/30(土)
幕地―2500m岩場―霞沢P-幕地・撤収・下山
 04:30目覚める・風は間遠になってるが、壁面が押される。6:15まで待機し、明るくなって出発。ハーネス・アイゼン着用。赤布が増えるが、樹林帯の瘦せ尾根を詰めるだけ。風はあるが雪はなく、青空も見える。樹林帯を抜けると2500m岩場が立つ。残置ロープが見えてそれとわかるが、フリーで越せる。主稜線上は岳沢・明神側に眺望が広がるが、山頂部がガスで隠れて残念。
 霞沢岳ピークは平坦で、標識で初めて特定できる。10時着。周囲の山は低いガスで見えないが、頭上は晴天・強風の中握手する。風よけもないので早々に下る。
第三の核心は岩場の下り。なのだが、見下ろすと八ヶ岳地蔵尾根程度の下り。結局懸垂せず残置ロープを補助にクライムダウンで済む。下るうち、日帰り3人P,テント泊一人Pとすれ違う。11:30幕地着・撤収し、14時に坂巻着。沢渡の温泉は営業していたが、翌日も休みなので塩尻の健康ランドで打ち上げ・仮眠所泊して日曜昼帰京とした。

装備
 プロモンテVL23、ロープ45M(未使用)、カートリッジ大(2/3消費)
所感
 同行Tさん曰く「新人向けのお買い得雪バリルート」。北アにしてはアプローチ短くルート明解、それでいて痩せ尾根・岩場歩きを楽しめて、最後に明神岳沢の眺望。藪もなかったから、もっと早いうちに行っておけばよかった。霞沢から徳本に抜けるとさらにナイフリッジを楽しめる。
ロープはあるべきだが、2500m岩場は下降も途中で支点を切れるので、30m補助ロープ・非懸垂(ハーネスなし)でもよいかも。ま、当人次第だけど。

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