八甲田 北八甲田から南八甲田縦走 山スキー登山

◆日程:2025/4/5-4/6
◆形態:山スキー登山
◆人数名:5名(M上、H芳、他3名)
◆ルート:
4/5 酸ヶ湯温泉-仙人岱-大岳-高田大岳コル
  -井戸岳赤倉岳東斜面-道路-深沢温泉
4/6 深沢温泉-酸ヶ湯ゲート-笠松峠手前-櫛ヶ峰
  -横足山-華の湖道路分岐-青荷温泉

(記録:H芳)

(記録:M上)

 北八甲田から南八甲田をつないで青荷温泉に下ると言う計画を以前から考えていました。
地図を見て効率よくつなぐと1日目酸ヶ湯温泉から出発して大岳、小岳、高田大岳とつなぎ谷地温泉に下り翌日南八甲田の駒ヶ峰、櫛ヶ峰から青荷温泉と思っていましたが谷地温泉の宿泊料が高いので少し横道にずれて深沢温泉に泊まることにしました。温泉3泊でそれぞれのお湯を楽しめる温泉ツアーですが山行自体はなかなかタフな行程になりました。
 メンバーはH口さん、それにゲストとして以前からの山仲間のN村さんO西夫妻が参加しました。

 4日:青森駅で集合しシャトルバスで最初の温泉酸ヶ湯温泉に向かいました。今年2回目の酸ヶ湯ですが1月の時に比べ4月の平日で静かな宿になっていました。

 5日:朝1番で朝食を食べたのですが出発は8時近くになってしまいました。大岳上部は雲の中。でも周りは昨日まで降った雪が積もり4月と思えない景色でした。

 地獄湯ノ沢経由で仙人岱に登りましたが大岳の上部は雲の中でこのまま登ってもホワイトアウト状態の下降になるのであきらめて小岳に向かいましたが時々青空が出始めて急遽ターンして大岳に登ることにしました。しかし登るにつれて雲の中に入ってしまい上部のシュカブラの斜面で少し手間取り山頂1580mに着いたのは11時30分でした。視界はありませんが早々にシールを外し下降に移ります。が最初の斜面は山頂の噴火口の壁だったようでまた少し登り返してから東斜面の下降に移りました。1300mあたりまで下ると視界は良くなり小岳手前のコルに下りましたが小岳の登りはスルーして高田大岳手前のコルまでトラバースしました。しかし到着は午後1時を過ぎていましたのでここから高田大岳を往復すると2時間くらいはかかるので深沢温泉到着がかなり遅くなる可能性が出てきました。残念ですが高田大岳はパスしました。

 高田大岳の北側の沢に一旦下降して井戸岳の斜面に移ります。しばらくトラバースしながら滑って行くと大勢のスキーヤーが下ってきました。高田大岳のコルにいた時井戸岳の斜面に見えていた20数名のパーティ―だったようで、それと同時にヘリコプターが飛んできて旋回を始めました。後でわかりましたがあるスキーメーカーのスキーツアーだったそうで1人が転倒して骨折、ヘリコプターで搬送されたそうです。

井戸岳と赤倉岳のすそ野はかなり広く赤倉岳の噴火した斜面を見ながら北に進み広い斜面を下降し続け沢を渡ったりしながら4月に全面開通した循環道路の八甲田温泉近くに下りました。そこから道路を30分ほど歩き午後4時少し過ぎていましたが深沢温泉に到着。宿を経営するご夫婦が迎えてくれました。余り知られていないこの宿の泊まりは我々だけでしたがフランクな対応とお湯が気持ちをのんびりさせてくれました。

 6日:山行2日目です。予報によると今日は天気が崩れるとのことでしたが晴れ渡った朝を迎えました。午後から雨に会うのは承知のうえで山に入ることに。宿のご主人が酸ヶ湯のゲートまで車で送ってくれました。また来年とお礼を言ってお別れ。

道路は開通なのですが朝9時までは凍結のためゲートが開きません。7時出発。笠松峠まで約1時間歩く事になり3~4m以上ある雪の壁が続きます。しばらく歩くと雪面に上がれる部分がありそこから登りシールで歩く事にしました。雪が少ないと雪面も波打ちますが今年の大雪で比較的スムーズに歩けました。しばらくは道沿いでしたが笠松峠手前からコースを櫛ヶ峰方向に変えて進みました。

【07】

 振り返ると昨日雲の中を登った左から北八甲田の大岳それから小岳、高田大岳と続き絵度の悪葉書の様な景色が広がりました。昨日は予報では良かったのですが1300m以上は午前中雲の中でしたので下降にも時間がかかったりで高田大岳を登れなかったのは多少完成度の悪い山行になりました。

 雪原が広がりますが駒ヶ峰が近づくと登りもあり北から大きな沢が入っているので多少蛇行しながら進みました。4月になって黄砂で汚れてしまった雪に数日前から降った雪が積もって美しい山になっていたのは幸いでした。
 駒ヶ峰の西側の尾根の末端を超えると櫛ヶ峰が姿を現します。右側の尾根を登るのが優しいのですが回り込むのが面倒で雪も柔らかいので正面からジグを切って登り始めて途中から右側の尾根に乗り12時少しすぎ1517mの山頂に到着しました。

少し風があるので雪の段差の下で休憩します。順調に4時間ほどかけて登ってきたので12時は当然なのですがこれから先がどれくらい時間がかかるかと言う問題があります。でも予報では悪かった天候でもひとまずは山頂に立てたので良しとました。
 午前中に比べると雲が多くなってきましたので下りにかかります。南東の斜面を滑り降りて西の下岳方面にトラバースしますが降った雪の斜面にスキーが滑らず余り快適ではありません。時々地図にはありませんが沢もあり斜面もわずかですが登り下りがあるので下岳から西にのびる尾根に着くのに手間がかかりました。途中から下岳に登り返して山頂から尾根を下った方が楽だったようです。
 ぽっぽつと雨が降りだしましたが横足山手前のコルまで滑ったり歩いたりを繰り返しました。コルからシールを付けて横足山に登り山頂手前から南面にある青荷川沿いの道路に滑り降ります。道路に出てもまだ雪の中でしばらく歩くとダム湖の華の湖に通じる道との分岐に午後4時20分に着きました。
 ここからは道は除雪されています。しばらくは道の淵の雪面を滑ったりしましたが途中登りも有りでスキーを担いだり約4.5kほどで青荷温泉に到着しました。それぞれのペースで歩いていましたので遅れ気味のメンバーを宿の車が迎えに青荷温泉に下る道の分岐まで行ってくれましたが全員がそろったのは午後6時を過ぎていました。夕食の時間をずらしてもらい濡れ物を片付けてお風呂に入ってやっと落ち着きました。
 ちなみに宿に事前に頼めば華の湖の分岐くらいなら迎えに来てくれそうですが今回は道が車がやっと通れる幅くらい除雪でUターンする場所が無いので無理のようです。  
 青荷温泉はランプの宿で電気の明かりは有りません。風呂は多分ヒバ造りでガラス張りの大きな窓で囲まれているので開放感がありなかなか良いです。冬で数か所あるお風呂のうち2つしか開いていませんが独り占めなので十分でした。食事も青森の田舎料理ですが私にとっては味もボリュームもなかなか良しでした。

 7日:朝食を食べると8時30分帰りのシャトルバスが出発です。交通の便が少ない地域でシャトルバスが山を下って途中の道の駅虹の湖まで送ってくれますがそれからのバスも少ないので朝早いのは仕方ありません。少し待つと黒石駅までのバスが来ました。30分ほどバスに揺られ黒石駅から弘南鉄道で30数分揺られて、これはほんとに揺れる電車です。弘前駅に10時40分到着しました。弘前からJRで新青森駅に、そこから新幹線となりましたが山からも町からも遠い遠い青荷温泉でした。

 スマホのデータによると1日目が13.6kmで時間が8時間少々。2日目は24kmで時間が約11時間の山行でした。時間がかかるのは了承済みの山行でしたがよく歩きました。もう少し快適な滑りがあればまた違ったでしょうがこれも我々のスキー登山です。同行してくれたメンバーと楽しみを共有出来たのは素晴らしいことでした。 


ーーーーーーーー

1.地獄湯ノ沢

2.高田大岳方面へのトラバース

3.南八甲田から北八甲田

4.櫛ヶ峯山頂付近

タイトルとURLをコピーしました