加越 白山から白川郷 無雪期登山

◆日程:2024/10/12-14
◆形態:無雪期登山
◆人数:2名 (M上 +1名)
◆ルート:
12日:金沢(バス)-市ノ瀬-別当登山口-室堂-白山-中宮道分岐-北弥陀ヶ原(テント泊)
13日:北弥陀ヶ原-地獄覗-ゴマ平避難小屋-シンノ谷-もうせん平(テント泊)
14日:もうせん平-野谷荘司山-鶴平新道大坪登山口-白川

(報告:M上)

北アルプスからいつも眺めていた白山ですがこれまで一度も登ったことがありませんでした。そこで行く気になったのですが白山だけではと思い尾根伝いに白川郷まで歩こうと計画。相棒はよくロングトレイルを一緒している奈良在住のH高さん。

 当初9月に計画しましたが天候が悪く10月に再計画しました。白山のメイン登山口の市ノ瀬に行くバスが土日祝日のみなので12日から14日の3日間で歩く計画にしました。

 12日:前日金沢で合流し12日早朝6時の市ノ瀬行きのバスに乗り市ノ瀬からは別当出合登山口までシャトルバスで。9時少し回って白山に出発しました。連休とあって沢山の人で登て行くと下ってくる人もいて登山道は混みあっていました。天候も良く気温も上がってTシャツで登って室堂2450mに到着しましたがそのころには空は灰色になっていました。本日のテン場予定地には水がないので山荘で補給して山頂に向かいます。

 予報では連休中は天気が良いはずでしたが途中でポツリとしてきて雨具をつけ白山御前峰2702mに到着した時には本格的な雨になっていました。それでも御鉢巡りのコースに入って回っているうちに東の方から青空がのぞいてきて北にある中宮温泉に繋がる中宮道に入る分岐に着いた頃には雨が上がってきました。

少し休憩して中宮道に入って行きましたが大汝峰の東側のくぼ地2600m地点にテントを張れる場所が見つかり16時も過ぎたので本日はここにすることに。10月のこの高度ですから気温は低くなり早々にテントに入りました。

 お湯を沸かしそれぞれ好きな飲み物を。私はウィスキーのお湯割りを飲み夕食の支度です。チーズ多めの温かいタコスを作り食べ終わると落ち着きましたが夜中は冷え込み油断して夏用の寝袋でしたので時々寒さで目が覚め熟睡することが出来ませんでした。

13日:快晴の朝を迎えましたが濡れたテントと外に置いた水が凍っていました。日の出を見ようと暗い内から登ってきた人たちが御前峰や大汝峰に見えます。

 それぞれに朝食を食べ6時に出発しました。少し登ってコルに出ると雲海に浮かぶ北アルプスの乗鞍岳から剣岳までの連なりがいつも信州側から見ているのと少し違って見えています。その手前に今日歩くピークが連なりました。

コルから高度300mほど下ると緩い道が続きお花松原に、そこから一つピークそして北弥陀ヶ原を越えてゆくと尾根は細くなり岩の多い歩きにくい道に変わってきました。西側の地獄尾根の壁を見ながら地獄覗を越えて急斜面を下ると間名子の頭2123mがそびえますが山頂下の斜面を巻くように道は良くありませんが付いていましたので少し楽が出来ました。

そこからまたピークを越えて急斜面を200mほど下るとゴマ平避難小屋でした。時間は12時少し前で休憩していると室堂から来た単独の人が。今日はここで泊まるそうでかなり早く室堂の山荘を出てきたようでした。避難小屋は狭い尾根に立っておりあまり広くはありませんし木々に囲まれ見晴らしもあまり良くありませんでしたが近くに水場はあります。道はそのまま進むと中宮道で6時間くらいで中宮温泉に到着できるようなのでエスケープに使えますが我々はここから離れて谷を一つ渡って念仏尾根を目指しました。   

水場を越えて歩きにくい登りのトラバースを過ぎた先から250mほど下って行くと高度1550m位にあるシン谷に到着しました。ここで水を補給して谷沿いに歩き傾いた鉄の橋を渡ると念仏尾根でした。尾根はP1772mまで急登が続きます。ここまでくると紅葉の斜面が広がってきましたが高い気温が続いたせいかそれほど素晴らしくはありませんでした。ブナやカエデが少ないこともあるようです。それに変わって熊の糞が10mおきにあるような状態で念仏尾根最後のピーク野谷荘司山の先まで続きました。

 笹藪の中の道が続きますが時間的にそろそろテント場を探さねばなりません。当初はこの先の地図にもうせん平と表記されているところなら天場はありそうだと予想していましたがまだまだかかりそうです。私は1週間前に八十里越えのトレッキングに出かけてどうもその疲れが取れていないせいかぺ-スが上がらないことが原因でした。それで若い相棒は元気でしたが高齢者の希望で15時を目標にテン場を決めることにしました。

 快適な場所などは無いのですが道幅が少し広くなっているところでテントを張りました。平ではないのでへこんだ所にザックを置いてエアマットを敷くとそれほど悪くない寝床が。こんな時厚いエアマットが役に立ちます。しかしどうも熊の通路に張っているようで気持ちはよくありませんが仕方ありません。

 その後2人の登山者が。「ここに張りましたか」と彼らも思案中のようで通過してゆきました。翌日分かりましたがこの先もなかなか良い場所は。

昨日と違いここまで高度が下がると寒さもあまり感じません。テントの傾いたところで食事を作りますがお湯を沸かしそれぞれ好きな飲み物を作ってから夕食にしました。本日はフレンチトースト。持ってきた粉末牛乳にコンデンスミルクと卵とシナモンを入れてパンを浸しフライパンにバターを溶かして焼きました。と書けば素晴らしい夕食の様に感じてきますがはたしてどうでしょう。それでもお腹を満たせば昨夜の寝不足もあって会話をしながら眠りについてしまいました。空は満天の星で明日も良い天気のようです。

 14日:3時過ぎには目が覚めると思っていましたが起きたのは4時半近くでした。でもぐっすり寝たせいか寝起きが良くスムーズに食事してテントを撤収しました。

 6時過ぎ出発。しばらく下って登りにかかります。朝日を浴びた紅葉の斜面は赤さを増して広がりました。多分雲海の下は白川郷でしょう。道も比較的歩きやすく妙法山1775mを過ぎてまた下るともうせん平に到着しました。当初2泊目を予定していたところです。全体に湿地帯でしたが一部乾いたところもあり小さなお地蔵さんがありました。テントを張るには問題なさそうです。

そこからばしばらく歩くと今回最後のピーク野谷荘司山1797mに到着しました。山頂で休憩していると二人登ってきましたが休日の日帰りの人のようです。一人はすぐに下山しましたが北にある三方岩岳に向かったのかも。道標も白川郷の表記は無く三方岩岳と書いてあります。どうも三方岩岳に回って下るのがメインのようです。

 後は小さなピークを過ぎて下ると白川郷大窪の登山口700mですが1000m以上も下らなければなりません。下り始めて三方岩岳の道に間違えて入ったようで登り直しがありましたがしばらくは急な下りが続き、途中足元が崩れてひっくり返ってしまいました。どうも疲れで私は足元がおぼつかない様です。それでも下り続けると道も優しくなってきて12時少し前に大窪登山口に到着して山行が終わりました。

 しばらく道を歩くと観光道路ホワイトロードにつながる大きな道に出てトヨタ自然学校の施設がありビールとお茶を買って乾杯。広い庭に濡れたテントを広げ乾かせてもらいました。それから1時間ほど道路を歩いて多くの外国人観光客でにぎわい日本人を探す方が大変そうな白川郷のバス乗り場に到着しました。

 最近高齢者仲間と誰もいない自然の中でキャンプを楽しもうと話しましたので今回もできる事なら食事は外で焚火をしながらを願っていましたがルートも天候もそれ程ロマンチックではありませんでした。もう少し細かく計画してルートどりを良くすればとは思いますがそうするとただ時間を気にしながらプランをこなすだけになってしまう様な。私はこのまま気の向くままの自然を楽しむ山歩きが続けられたら良いのですが。

                                   M上 記

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