会越 八十里越えトレック

◆日程:2024/10/01-03
◆形態:ハイキング
◆人数:2名 (M上、他1名)
◆ルート:
1日:大白川-大雲沢ヒュッテ(泊)
2日:大雲沢ヒュッテ-(送迎)-吉ヶ平登山口-高清水沢-鞍掛峠(テント泊)
3日:鞍掛峠-田代平-八十里峠-入叶津(タクシー)-只見

(報告:M上)

 昔からの山仲間K久保さんとお互い年齢的に長く歩くのはどうも、と言うことでこれからは誰もいない自然の中でキャンプでも楽しもうと話しているうち多少は歩いてキャンプと言う話になり、どこが良いかと言うことになって「八十里越え」に話がまとまりましたが少し歩く話がかなり歩くことになりました。

 八十里越えはその昔から荷を担いだ馬や牛が通る越後と会津を結ぶ産業道路でしたが約百年前磐越西線が出来て使われなくなり廃道になっていたのを地元が登山道として復活させたと言う事らしいのですが豪雪地帯のため所々崩れるので厳しい道になってしまうようです。我々が歩いた越後側の吉ヶ平(よしがひら)から会津の入叶津(いりかのうつ)は十数時間かけて1日で歩く人が多く途中テント泊する人は少ないようでした。

 1日:午後の新幹線と在来線をつなぎ小出で只見線に乗り換え大白川駅で降りて民宿大雲沢ヒュッテに泊まります。ご主人はこの方面の山に詳しく時々案内もしてるとの事で翌日出発点の吉ヶ平まで車で送ってくれることになっていました。お客さんは平日とあって我々の他は明日浅草岳に登る我々と年代のあまり変わらない男女5人の方々。

 2日:宿を4時半出発。スタート地点の吉ヶ平まで1時間の山道ドライブです。天気は思いのほか良く吉ヶ平に着いて作ってもらった朝食代わりの大きなおにぎりを食べます。新米で美味しく1つ食べてもう1つを行動食にしました。  6時少し過ぎ出発。1時間ほど登って振り返ると大きな木の幹の向こうにスマホの写真ではわかりずらいですが小さく吉ヶ平の赤っぽい建物が見えました。      

 比較的整備された山道を上って行くと番屋山に登るルートと八十里を歩くルートに分かれましたが我々は八十里の道に。9時30分頃最初の峠、番屋峠に到着しました。

番屋峠でしばらく休憩して歩き出します。このあたりからは東面の等高線にそった道に代わりますが所々崩れてそこに草も道を隠しかなり細い傾いた所も有りで、それに小沢が横切りトラロープにつかまって渡るところがたびたび出てきてなかなか疲れます。しばらく進むと開けて建設中の国道289号線が見えてきました。数年先に完成予定のこの国道は下山口の入叶津につながっています。     

 等高線に沿った道を約4時間ほど歩くと深い森の中の道に変わり南側に守門岳の北にある烏帽子山の切り立った山肌が。少し下ってブナ沢と高清水沢を渡って徐々に登りになってきました。沢に橋などありませんから増水などすると渡るのに苦労するような沢でした。

沢を渡ってしばらく歩くと二股に分かれ左に行くと建設中の国道に出るようで右に進むのが八十里越えのようです。道も少し広くなり人の手も入っているようで登り続け一段高度を上げて尾根に上がったところが鞍掛峠でした。地図で見ると鞍掛峠が今回のルートの真ん中ぐらいですが時間もまだあるのでもう少し進むことにしました。

鞍掛峠を過ぎると道は南側の斜面に代わり比較的広くテントは何処でも張れそうで15時少し前、水を取れる小沢の近くにテントを張りました。今までの青空がそのころには曇り空に代わっていました。小さな焚火をしながら夕食の支度をしていた時ポツリときましたのであきらめてテントに移ります。今まで天気がよかったのはたまたまの様でしたので想定内ですがやはりゆったり外で食事をしたかった。雨は夜中まで比較的強く降り続きましたが朝になる前には上がったようです。

3日:曇り空の朝で始まりましたが朝食が終わるころには歩くには問題のない天気になってきました。6時少し前に出発。田代平湿原まで下りの道が続きます。歩きやすい道と崩れかかった道が時々入れ替わりますが比較的歩きやすい道でした。

6時40分ごろ田代平湿原の近くに到着。少し下って湿原の道に入りました。かなり古く壊れかかった木道が有りますが歩きにくくはありません。ここで相棒の写真を一枚。

 湿原の向こうには薄く雲のかかった黒姫と言う山が。右奥方面に尾根続きの守門岳があるようですが今は見えません。雪のシーズン只見線の大白川から入りこのあたりにベーステントを張って周りの烏帽子山や黒姫を滑るとなかなか良い感じです。湿原を途中で曲がって少し登りなおすと今まで歩いてきた道に出ました。このあたりは大白川林道となっており道幅も広く水も取れるのでテント適地でした。      

林道を離れると道は広くなったり狭くなったりを繰り返し時々小沢にぶつかりトラロープにつかまって超えますが道の途中にかなり古い石垣が。多分ここに昔は橋が架かっていたのでしょう。なかなか歴史を感じさせる道です。ちなみに八十里越えには入山口の違う道が数本あるようですでに廃道になっているものもありますが明治時代頃までは途中に粗宿もあるような街道だったようです。

8時木ノ根峠到着。地図には八十里越と明記されているところで手前には昔々には茶屋があったようです。この峠を越えると道は入叶津まで下りが続きますがかなり道がぬかるんできます。昨夜の雨の影響もあるのでしょうがぬかるみはいつもあるようで防水性の良い靴が必要ですが、それとも泥んこになって濡れるのは覚悟して歩くかです。

 ひたすら歩いて11時過ぎ入叶津の国道に出て山道は終わりました。沢に下るのが面倒で近くで工事していた人に頼むと泥だらけの靴を洗わせてくれました。そこから1時間ほど道路を歩くとスマホが通じたので只見のタクシー会社に頼みますが一軒目は断られてもう一軒の朝日タクシーはしぶしぶ引き受けてくれました。

 工事ゲートが有りその先の浅草岳の登山口で頼んだタクシーを待つと予想より早く来てくれました。聞くと時々予約してもすっぽかす登山者がいてあまり引き受けたくないそうですが只見駅近くのお風呂まで会話を交わしながら送ってもらいました。最後に少しオマケが。私は半袖だったのですが大丈夫で長袖を着ていた相棒の腕にダニが食い込んで取れそうにありません。翌日病院で取ってもらったそうです。

 それから熊も事ですが初日泊まった宿の地元テレビでは木の実が不作気味なので熊の注意期間を1か月伸ばすと言ってました。我々は熊鈴はうるさいので時々笛を吹くことで対応しましたが登山道ではしばしば熊の糞を見かけました。

 八十里越えは以前奥会津の山を登っていた時知りました。歴史の香りのする道で興味はありましたがなかなか行く機会が生まれませんでした。元気な人たちは1日で歩きとうすルートを我々は途中1泊でのんびり歩きましたが所々歩きにくい所もありそれ程楽な山行にはなりませんでしたが二人とも以前から歩いてみたいと思っていたルートでしたので満足する山行になりました。 

 M上 記

 

 

タイトルとURLをコピーしました