◆日程:2023/10/21-22
◆形態:無雪期登山
◆人数:3名(M上+2名)
◆ルート:
21日 伝付峠登山口-発電所入り口-転付峠(テント泊)
22日 -奈良田越え-黒河内岳-広河内岳-農鳥岳分岐-大門沢小屋(避難小屋泊)
23日 -奈良田温泉(バス)-下部温泉
(報告:M上)
今回の白峰南嶺の計画は昨年出かけた「転付峠から笊が岳、青薙山」が白峰南嶺の南部分とすると北部分にあたります。当初、転付峠から笹山(黒河内岳)を経由して北端の広河内岳までを歩く計画でしたが直前で天候が冬型になり、かなり気温が下がることと風がかなり強い予報になりました。初日の行程は翌日がかなりきつくなるので稜線まで上がることが必要ですが強風の中稜線歩きとテント泊が厳しいので大門沢経由で広河内岳に登り笹山を経由して転付峠の計画に変更しました。
21日:
昨年同様下部温泉駅で集合しました。メンバーは昨年も一緒に歩いた旧会員のA上さんと奈良から参加のH高さん。始発のバスで奈良田温泉に向かいました。青空が広がりますが雲の流れはかなり早いようです。バス停で支度をしていると広河原行きのバスが来たので乗せてもらい大門沢入り口まで楽が出来ました。
大門沢の登山道を9時に出発し大門沢小屋に進みます。最初はさわやかな天候で最初Tシャツで歩いていましたが高度が上がるにつれて冷たくなってきました。13時過ぎ大門沢小屋に到着。営業が終わっていますが避難小屋に一人、あいさつを交わして昼食としましたが時間はまだありますし明日の事を考えるとまだ上に行かなければなりませんが上部に行くと傾斜が増して稜線近くまで3人用のテントを張る場所が見つかる可能性がありません。
それでも探しながら上って行くと2000mを超えたあたりで張れそうなところを見つけました。少し時間をかけて石や木の枝を片付けると傾いてはいますがちょうど良いスペースが出きあがりました。紅葉もこのあたりが一番良さそうです。
22日:テントの外に置いた水が一部凍っていました。それぞれ朝食を食べて5時30分、 少し明るくなって出発。後ろには朝日が待ち遠しい富士山が見えます。
ここから白峰南嶺が始まります。岩だらけの斜面と砂礫の斜面が交互にやってきますがここにもしトナカイでもいたら極北のツンドラのように見える稜線が広がります。昔は道らしい物などありませんでしたが途中の笹山に奈良田から直接登る道ができたおかげか歩く人が増えたことで踏み跡も明瞭になりペンキマークもつけられていました。11時15分大籠岳に到着、振り返ると三角形に尖った北岳が見えました。
本日の予定は奈良田越えの先にある水場まででコースタイムで12時間はかかります。道は徐々に下りなので予定タイム通り進んでいましたが、いつも元気なA上さんが遅れだしました。笹山が近くなったころA上さんが寒さを訴えます。昨日テントの中の話で昨年の骨折以来どうも調子があまりよくないとの話を聞いていましたのであまり無理はできません。厚着をさせてしばらく歩き14時30分頃笹山(黒河内岳)南峰2718mに到着しました。 予定の水場まではまだ4時間近く歩かなければなりませんし電話もうまくつながらないので笹山から直接奈良田に下ることにしましたが少し下ったところに風がよけられるスペースがあったのでそこにテントを張ることにしました。これ以上下ると私の経験ではしばらくテントが張れるところは見つかりません。寒風から逃れられ水は行動用しか有りませんから食事は作れませんがお湯を沸かして体をあたため行動食を食べたので気持ちはリラックスできました。
22日:
たっぷり休んだおかげかA上さんも体調が少し回復したようで6時10分奈良田に向けて下りました。高度が下がるにつれて気温も上がって行きお昼過ぎに奈良田温泉到着。早々に温泉に入り最近できたらしい民家風の店で鹿肉のシチューと自家製のパンの昼食を食べておなかを満たし山行が終わりました。
今回は昨年南部分を歩いたと時と同じころに計画をしましたが急な寒気の流入で秋の装備では寒い思いをしました。10月も後半に3000m近い所まで登りましたから仕方ありませんが3日間青空が続き白峰南嶺の北部の景色を楽しむことが出来ました。北部は広い岩と砂礫のコースが続きますが徐々に森林帯になってゆき南部分の森林帯に続きます。両方を歩いて白峰南嶺の美しさと楽しさを味わう山行が出来たと思いました。