北ア 槍ヶ岳往復(中崎尾根) 雪バリ

◆日程:2022/12/28~31
◆形態:雪バリ
◆人数:2名(N野、+1)
◆ルート:
 12/28水 新穂高P-白出小屋・滝谷小屋・槍平小屋(幕営)
 12/29木 BPー中崎尾根ー奥丸山・P2388間適所(幕営)
 12/30金 BP千丈乗越プラトー ・槍P/避難小屋泊
 12/31土 BPー中崎尾根・回収ー槍平ー新穂高P(帰京)

年末の中崎尾根。20数年前に硫黄尾根からの下降でラッセル2泊かかったいわくつきのルート。そこを2人。行きはよいよい帰りは怖い、でおのずと降雪読みには慎重になる。その上世間より一日早い28日入山。ラッセルトップなんてなった日には、行きつけるかすら危うい。斯様に緊張しての出発となった。

12/28水
 登山センターわきにテント仮眠してたら、朝の4時に外から起こされた。年末登山の指導キャンペーンだそうで、岐阜放送のTV取材つき。Tさんは会ワッペンつきのザックでカメラ前をくるり一周してアピっていたが、放送されたかは定かではない。取材のついでに周囲に探りを入れると、1日前に中崎尾根に1P入っているとのこと。ラッセルトップならず・でちょいと安心。
 6時過ぎ発。トレースは確かにある、が、スキー混じりで浅くて心もとない。とはいえワカンなしでえっちら歩く。後続いたが西穂西尾根に消えてしまった。穂高平小屋まで1h超・小屋は閉まっている。白出沢から涸西のトレースが分かれる。滝谷でほぼ5時間・やはり時間はかかる。小屋は開いている。
 14時槍平着。先行一張は青学山岳部。なんとここまで2泊!スキー混じりの学生が2泊だなんて、我々だけだったら敗退必至・感謝感激である。沢水を汲んでいると下りるパーティが。避難小屋にデポして中崎尾根を奥丸まで偵察してくれてたとのこと・あぁ、先行様は大変ありがたい。350mlビールで入山祝いして、寝る。
0600新穂高P-白出小屋・滝谷小屋―1400槍平小屋(幕営)

12/29木
 小雪が一晩中降っていた。3時過ぎ起床としたが、撤収して5時。暗すぎるので避難小屋で待機しようとしたら、小屋組がまだ寝ていて・起こしてしまって申し訳ない。
 6時過ぎに改めて出たが、トレースが飛騨沢を渡る手前で右に曲がる。怪しいと思いつつもヘッデン照らす限り他に無く、とりあえず踏み跡通しに進む。とはいえ10分も進まないうちにさらに右折・樹林帯に入っていく。これは中岳西尾根のトレースと判断して戻る。薄明るくなってよく見ると対岸のオレンジテープとトレースがある・やはり早出すぎるのも善し悪し。
 中崎尾根・奥丸までは疎林の急登。トレースあるとはいえ、ワカンで膝まで埋まる。そのうち男性4人・茅ヶ崎山岳会Pが追いつく。急造混成6人パーティ。奥丸山手前のトラバースでトレースはなくなり、交代で路を拓く。微妙なアップダウンが小雪の中に続く。そのうち風もでて顔が冷たい。アゴがあがるころに2400m平坦地に着き、2P並んで幕地を拓く。小雪が昨夜から切れ目なく降り続けてる・このまま降り続くと明日夜にはトレースが今朝並みに埋まる。ここまで来てアタック無しはない、とはいえ突っ込んで閉じ込められるのも勘弁。全ては明日朝だね、と話して各々幕入りする。
0630幕地ー中崎尾根・奥丸山―1400;ct2400m平坦地(幕営)

12/30金
 早すぎた前日を反省して4時過ぎに起きる。寒い・静か=晴天!星空が美しい&飛騨沢にはスキーパーティが上がっている・アタック日和だ。シュラフもなしでサブアタックとする。予想に反してまだワカンが要るどころか結構なラッセルが続く。千丈乗越手前夏道のトラバースは吹き溜まりで、思わず声が出るほどの胸までラッセル。膝を蹴り込み、前足を踏み込み、一本足で立ちこんで倒れ込みつつまた膝を蹴り込む・その繰り返
し。こんな無心なラッセル何十年ぶりなんだろうか?混成Pとはいえ、大人数であーでもないこーでもないいいながら皆でラッセルするのもまた久しぶりで楽しい。さすがに千丈乗越にあがるとアイゼンになる。主稜線から小屋看板コルをめざして飛騨沢上部をトラバース。小屋にでてようなく風をよけられた。小屋に雪はない。
ワカンをデポして槍へ。梯子も鎖も出ている。実のところ槍の穂先は片手ほどしか登っていない。最初は高1の夏合宿。横尾BCサブ日帰りで、この梯子で前を上がる同期に手指を踏まれたっけな、なんて思い出し。アイゼンでそれは勘弁と前後上下の間隔に気を遣う。12時前、穂先に上がる・6人Pで握手。最後に上がったのはGW北鎌尾根?いや結婚前年女房と9月に上がって初雪喰らった20n年前以来だ!。いやー久しい・けど風景が全然違う、そこは年末厳冬期。風が寒いので早々にくだる。各々上り・下りの梯子を使うが、梯子が切れた雪面が立っていてシングルアックスだとけっこう怖い。大満足で帰路に就く。槍平からのサブアタックPとすれ違う・トレース深堀確定で安心、が足は正直でヘロヘロしている。13時幕地着でほっとする。ところが茅ヶ崎Pは撤収
して下る&Tさんも下りたいという。いやいやしんどい・もちっと泊まろうよ、と説得して幕入り成功。茅ヶ崎は槍平ところか新穂高・帰京するという!元気だ。その晩は最も晴れていたが、最も早く寝た。
0630BC(デポ・サブ)―千丈乗越 ・槍P―1300BC

12/31土
 ゆっくり起きよう、といってたわりには湿ったシュラフと顔に落ちる水滴で0430には起きてしまう。快晴&朝焼けが最高!。0630撤収して名残惜しみつつ下山・アイゼンでOK。弾丸道路のようなトレースに空身ピストン組多数とすれ違うあたり、もはや南八文三郎状態。余裕ついでに空身で奥丸山も上がると、対面から上がるPが居る。東京農大Pで末端から中崎尾根を4日詰めてきたとのこと!素晴らしい・まだ若い山屋も捨てたもん
ぢゃない。尾根取り付きの急登を一気に下り、槍平で沢水を補給して、正午の時報で新穂高着。ノンアルビールで乾杯して平湯で入浴・宴会・一寝入りして夕方発で紅白に間に合った。
0630BCー中崎尾根・奥丸山・槍平ー1200新穂高P―平湯(入浴・休憩)1700-2100帰京

積雪
 12/24 30mm降水(栃尾アメダス)
 12/26 右俣林道を学生が槍平まで2泊・中崎尾根上部膝上ラッセル
装備
ガス缶大2(消費1)、ロープ7mm30M(非使用)、バイル・ハーケン(非携行)
食料
全各自(朝カップ麺、夜カップ飯)。
所感
ラッセルルートは、もはや2人Pでは入れない。
 今回は混成6人でギリ。とはいえ久しぶりの大人数ラッセルは楽しかった。
 今回食事は全部各自としたが、ガス消費が少なくて良い。
 毎晩水4Lを作り・沸かし・暖をとっても大1本で余った。

タイトルとURLをコピーしました