大峰山奥駈道縦走 (持経ノ宿から熊野本宮)

◆日程:2021/10/23-25
◆形態:無雪期登山
◆人数4名(M上、A上、N谷 +1名)
◆ルート:
23日:熊野市(タクシー)-下北山村池原-白谷池郷林道-持経ノ宿-平治ノ宿-俱利伽羅岳-行仙岳-行仙宿小屋(避難小屋泊)
24日:行仙宿-傘捨山-地蔵岳-香精山-玉置山-玉置神社(送迎車)-十津川温泉(宿泊)
25日:十津川温泉(送迎車)-玉置神社-大黒天神岳-五大尊山-七越峰-熊野本宮(バス)-新宮(JR)

報告:M上

大峰山奥駈道縦走 持経ノ宿から熊野本宮

 昨年の同時期に吉野から持経ノ宿まで歩きましたが大峰山奥駈道を約3分の2ほど歩いたことになります。残った熊野本宮までの道を今年の春計画しましたが直前の大雨で稜線まで登る林道が崩れ車が入れなくなり秋に延期しました。しかし道は完全には回復せず車で途中のゲートまで上がることができないため麓から歩くことになりました。

 22日。夜三重県熊野市の宿に集合。
 
 23日。早朝タクシーで入山口の下北山村に向かいました。7:00過ぎて林道を歩き始めます。天気は良く気持ちよく登れますが前回下った時はきれいな林道でしたが土砂が流れ込み荒れていました。それでもコースタイム約4時間より早く奥駈スタート地点の持経ノ宿に着きました。
 持経ノ宿避難小屋からまず平治ノ宿に向かいます。前回と違い通称南奥駈道は樹林帯の道が多く単調な歩きが続きますが転法輪岳、倶利伽羅岳を過ぎて行仙岳を超えると今夜の宿、行仙宿山小屋に16時前に着きました。早速東側の急斜面下にある水場に水を汲みに下ります。10分ほど下って到着しましたが小さな水たまりしかなく、汲むのをあきらめて小屋に引き返しました。
 小屋には汲み置きの水があるので沸かして使わせてもらうことに。雨の少ない秋は奥駈のどの避難小屋も水が取れないことがありますが、行仙の小屋は奥駈のなかでも設備が一番良い小屋で薪ストーブもあり助かります。これも新宮の山の会が維持するための努力をされているからで最初に出かけたころは普通の避難小屋だった記憶があります。今日の宿泊は我々と物静かな外国人の青年1人でした。

 24日。出発が6時半になりましたが傘捨山の急な登りに向かいました。ここを超えると槍ヶ岳、地蔵岳、東屋岳とギザギザした地形が続き急な上り下りが1時間半ほど続き香精山を越えるとなだらかなな山道に変わりました。今日の最終峰、玉置山に近づくと時々道路に出たりしましたが道は山の中を繋がって行きます。本日は十津川温泉の宿に泊まるので車が16時迎えに来ます。私以外の3人は本日中に玉置神社に行きたいと先に進みましたので私はゆっくり歩いて玉置山から直接玉置神社の駐車場に向かいました。16時少し前に駐車場に着くと沢山の車と人。本日は年1回の例祭日だそうです。神社にお参りした3人と合流して宿に向かいました。本日も雲は多いながら良い天気で気持ちよく歩けました。ちなみに昔は奥駈をする登山者は行者として見てくれ玉置神社に泊まることができたのですが現在は難しいようです。
 今回の宿は「太陽の湯」という名で十津川温泉では珍しい名ですが数年前古い宿を購入してご夫婦で宿を始めたそうです。以前泊まった事のある宿は後継者が無く締めてしまったようでこの宿にしたのですが十津川を眺めながら露天風呂につかれるのは同じでした。
 食事は牡丹鍋に鹿肉のカツ、アマゴのから揚げなどに新宮名物の秋刀魚寿司が、期待以上の食事に大満足しました。
 
 25日。朝食をお弁当にしてもらい6:00送迎の車で玉置神社に向かい最終の熊野本宮に向かいます。十津川は霧に覆われ天候は想定内の小雨ですが奥駈最終日なのでもうひと頑張りです。
 五大尊岳、大黒天人神岳と続いて少しずつ下って行くと西側に熊野川が見えてくるのですが本日は霧の中、最後まで登ったり下ったりですが15時くらいに熊野川の河畔に到着しました。対岸には元の熊野本宮の大鳥居が見えます。川の水が少なければ歩いて渡れますが今回は橋を渡って熊野本宮に向かいました。熊野本宮は本来熊野川河畔にあったそうですが水害で流され今の場所に移されたそうです。
 もう1日休みが取れれば近くの湯の峰温泉にでも泊まってゆっくり帰ればよいのですが泊まって翌日川下りをするN谷さん以外は難しく本日中の新宮発最終特急に乗る必要があり途中の道路工事でバスが遅れるそうで、たまたま16時まで本宮に待機していたタクシーで新宮にくだり奥駈を終わりました。

 個人的には4回目の奥駈でした。最初に歩いて10年位ごとに出かけましたが最初は道のはっきりしない箇所も多くコンパスと地図を見ながらの山行でしたが世界遺産になってからは道標もしっかりして歩く人も増えたせいか道もはっきりしていますが距離の長いのは変わりません。千年以上続く神さまと仏さまが同居する修行の山は他の山とはまた違う味わいのある山脈でした。                          
                                     M上記

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