鈴鹿 藤原岳から鎌ヶ岳 無雪期縦走 

 紀伊半島の大峰、台高と歩いたのでもう一つ比較的近い鈴鹿山脈も歩きたくなって計画を立てましたが全体を歩くには日数が必要なため2泊で歩ける藤原岳から入道ヶ岳としました。同行は大峰をご一緒したN口さんとH高さん。

 12日。近鉄名古屋線の富田駅でH高さんと合流。三岐鉄道に乗り換えて終点の西藤原駅で降りて駅前の駐輪場にテントを張って仮眠をしました。
 
 13日。前日名古屋泊りのN口さんが朝1番の電車で到着してメンバーがそろいましたが駅員さんにここで泊まらないようにと優しくですが注意を受けました。
 7:00過ぎ好天のなか最初の山の藤原岳に向けて歩きだしますが駅から10分ほど歩いたところに比較的大きな木造の登山センターがあり中には板張りもあって仮眠はここが良かったようです。山道を2時間半ほど登ると緩やかになり山口県の秋吉台の様に草原に所々白い岩が散らばるカルスト台地が広がっていました。麓を見ると一部石灰石の採掘場の様で確かに三岐鉄道にセメント会社の名前の入った貨物車が止まっていました。避難小屋があり休日とあって多くの人が風景を楽しみながら食事などしています。休憩後少し歩いて山頂に。この先は滋賀県と三重県の県境尾根が続きます。

竜ヶ岳 photo N口

 山頂から破線ルートの急下りを1時間くらい下って治田峠。この先は人っけは無くなり最初は単調な馬酔木の林の中を歩きますが徐々に森らしくなって池などあり良い風景になりました。それからしばらく登ると笹原の広がる竜ヶ岳に。藤原岳とは全く違った風景で西に琵琶湖、東に伊勢湾と広々とした風景が。印象に残る山が続きました。
 1時間ほど下ると今日の水場のある石榑峠に到着。ここには道路が通っているので数台の車が止まっていました。水場は峠から少し下ったとこにありましたが時間も17:00近くになりテントを張るのに良い平地があったのでここで泊まることにしました。夕食はご飯を炊いて親子丼、風もあたらず静かな星空の夜を迎えました。

 14日。早朝車のドアを閉める音で目が覚めました。日曜日ですから日帰りの登山者が登ってきたようです。我々は6:30南に向けて歩き出しました。溜まった落ち葉で時々道を無くしますが鹿の鳴き声以外は静かなブナの木の混じった林の山道が続きました。
 お昼近くになって釈迦ヶ岳を超えるとまた人が増えてきました。地図を見ると麓につなぐ山道がいくつか有り日帰りで多くの人が登り下りしているようです。途中花崗岩の白くざれた小山のハト峰を通過して少し単調な尾根歩きを続けると当初2泊目のテント場に決めていた根の平峠に到着。西側の斜面は草地が広がり小川も流れてテントを張るにはとても良い所ですが少し時間が早かったので水だけ確保してもうしばらく行動することになりましたがここからは国見岳に急登が続きます。1時間半ほど登ると少し山道が開けたところに到着。16:00少し前でしたがテントを張ることにしました。
 本日も好天でしたので気持ちよく歩けました。夕食はイベリコ豚丼、と言っても調理した肉のパックを温めるだけですが炊いたご飯にのせて食べるとかなり食がすすみました。私には冷たいビールが無いのが残念。

 15日。まだ暗いうちにすぐ近くの大きな鹿の鳴き声で目が覚めました。どうも鹿たちは恋愛時期に入っているようです。しばらく鳴いていましたがまだ早いのでもうひと眠り。
 6:00前に目を覚まし各自用意した朝食を食べます。今回は夕食はまとめて作りましたが朝食は各自食べる量が違うので個食にしました。
 本日は最終日。天気良しで御在所岳を超えて鎌ヶ岳から御在所岳のロープウェイ駅のある湯の山温泉に下ることにしました。当初の計画ではその先の入道ヶ岳迄を計画していましたが同じような道が続くことと下って温泉に入って帰宅したくなったからです。
 まず国見岳に到着。今まで歩いてきた山々が一望でき御在所岳がすぐ近くに。長く歩くとまた違った喜びを感じる瞬間です。
 しばらく歩くと御在所岳の山頂で公園みたいなところに到着。まだ早朝で人はあまりいません。記念写真だけ撮って早々に先に進みました。一旦武平峠に下って鎌ヶ岳に向かいます。鎌ヶ岳は御在所岳から見ると三角形のとがった山で印象的なスタイルが最後にするにはうってつけの山です。人気があるらしく多くの登山者が峠から登り下りしていました。
 山頂から温泉に下るためには尾根道と谷筋の道がありましたが山頂近くで会ったご夫婦に聞くと尾根道が良いとの事。最初は急でしたがしばらく下り続けると歩きやすい山道になり御在所の岩場が見え隠れします。2時間半ほど下ると湯の山温泉到着。谷筋にあるきれいな宿に日帰り入浴して15:00過ぎのバスに間に合わせるため地図のバス停に急ぎましたらバス停は御在所ロープウェイ駅に移転したそうでまた少し登りなおしました。目的のバスには間に合いませんでしたがしばらくして名古屋に直行するバスにN口さんと乗ることができ奈良に帰るH高さんとはここで別れて山行を終了しました。 

 休日とあって各ピークには日帰りの人たちが沢山登っていました。テントを担いで縦走をする人たちには会う事はありませんでしたがピークを繋ぐ尾根では木々の葉も落ち見晴らしがよく静かな山歩きができました。鈴鹿は東海の人たちにとって我々の丹沢や奥多摩の様な身近な山でした。

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