南アルプス 大唐松ー農鳥ー笹山 雪バリ

◆形態:雪山登山

報告:N野
期日 2018/12/28-12/31
ルート 奈良田ー雨池山ー大唐松尾根ー主稜線ー大門沢下降ー奈良田。
メンバ N野、T木(会外)

12/27 (木)集合~飯富バス停
T木さんが元旦夜勤のため、一日早く仕事を納めて27/木曜夜発とした。納車の手違いでTさん車が無く、新宿から身延行の高速バスとするが、これが正解。途中の飯富で降りるが、バス停がローソン駐車場。夜食と酒と温かい朝食が保証されて、安心して仮眠する。夜半から風が強く、バス停が飛ばされていた。

12/28(金)飯富(バス)奈良田~雨池山~P1934付近(幕営)
奈良田行きのバスは当然貸し切り。座席横一列を占領して横になって寝る。奈良田発9時くらい。
仕事納め前のためか、工事車両が多い。車道を下る二人組にすれ違う。聞くと北岳方面は第一発電所トンネルで歩行者も通行止めで、これから夜叉神に車で移動するとのこと。ウチらの入山は規制手前なのでと引き入れ勧誘するが、さすがに乗ってこなかった。
第一発電所トンネル手前で睨んでいる警備員を横目に、左手・大門沢方面におれる。すぐに山の神祠があり、これが大唐松・雨池山への入口。祠裏から資材モノレールや送電線保守道の手すりがかなり上まで続く。手すりがなくなっても基本尾根道一本北上なので迷うこともない。やぶも少なく枯葉がカサカサと秋枯れハイクと思いたいが、荷も靴も重いし地味に急登。今日は雪がある標高まで頑張らなくてはいけない。地味な標識の雨池山を越えたころにようやく積雪を見る。陽だまりの笹窪に雪を集めて整地して今夜の幕とした。14時だが、農鳥までもう一泊するので良しとした。

12/29(土)幕営地~大唐松山~P2580付近コル
0530発で昨日に続いて尾根北上を継続。登る分には尾根は明瞭だが、2つのJPは広く下りには迷いそう。赤布も少ないので、下りはGPS必須だろう。JP2200から西に転じ大唐松尾根となるが、モナカ雪ラッセルがつづく。藪も立木も薄いがワカンも効かずとにかく疲れる。三角点2555.1標識を踏み、字の消えた標識を大唐松山ピークと同定する。このあたりから風が音を立てるようになり、シャクナゲ天国(地獄)が始まる。地形図上は高度差も少ない広い尾根を行くのだが、立ち木をまいたり地味なアップダウンがあり、都度モナカを踏み抜くので二人ラッセルは実につかれる。P2580の手前か?、陽だまりのコルがあったので、もう少し進みたいところだったがこの日も13時ころで幕とした。

12/30(日)幕営地~P2580~岩稜帯・P2633手前
幕営地が平坦なコルだったので、この日は夜明けを待って6時発とする。風はまだある。積雪はひざ下だが、いつまでもモナカで。思いのほかナイフ状リッジや岩塔が現れ、細かいアップダウンが疲弊させる。朝日を背に受けるのはよいが、風よけもなく寒い。ペースも上がらず、森林限界を超えたの12時近かった。雪さえ安定すれば、主稜線・農鳥ピストンで大門沢下降点まで3時間もかからないとみていたが、すっかり疲弊してN野がgive up。明日の方が風も弱いと予想して幕とした。前日凍結して連結したままザックにつけていたTさんのスコップが、シャフトが抜け落ちてなくなっていた。ブレードとピッケルで整地する。

12/31(月)幕営地~主稜線~大門沢~奈良田(バス)下部温泉(帰京)
7時発。読み通り風も収まり絶好の登頂日和、であったのだが。N野のアイゼンが外れまくる。途中ナイフでネジを締めてみたが埒があかず、やむなく農鳥登頂はあきらめる。大門沢下降の途中で、大籠岳に人影を見る。小屋手前で給水中に縦走組二人に追い抜かれ、以後数人登りとすれ違うなどようやく人影を見る。小屋付近の渡渉は水が少ないので問題なし。たらたらカサカサと枯葉の登山道を下り、奈良田着が15時。終バスが1550なのでのんびりし過ぎたか?風呂をどうすると話すと、バスの運ちゃんが下部温泉駅を教えてくれる。駅前に大きなホテルがあるので、最低でも外湯と駅泊くらいはできそうと、提案に乗る。
下部温泉駅で降りて、線路対面のホテルに向かうとまさかの「年末年始の外湯は15時まで」の看板が。思わず「えー、せっかく途中下車したのに」と事実を心の思うままに声に出したところ、女中さんが快く迎え入れてくれた。入浴して館内の中華レストランで打ち上げして、身延線・甲府各駅停車で大晦日の新宿南口を山の格好で歩いて副都心線に乗り換えて、自宅に着いた頃には年越しそばが茹で上がっていた。

装備備考:ガス消費 中1大1/2。
ルート所感:もっと藪藪と思っていたが。予想よりシンプルで分かりやすい尾根。ただし長い。尾根2泊で抜けられるはずが、疲弊して3泊になるほど。雪が安定してれば楽しいかも。
反省:今回はN野が3日目に疲弊した。連日の二人ラッセルと、風による体温損耗で、3泊目はテントでも胴震えが止まらなかった。下山後も手指足指に痺れが出たのは初めて。従前と装備も同じで八ヶ岳程寒くないのにこの状態。これは第一に給水・給食の不足による低血糖症状。事実4日目最終日は行動食を食べきるだけ接種したことで、体調が復調した。第二に筋肉量(代謝・熱生産効率)の低下。ここ2年日々の運動量減少が、閾値を越えて疲労と抹消の痺れとなって表れたと思う。これからの冬山での身の振りようを考えなくてはいけない。

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