北アルプス 朝日岳・五輪山・雪倉岳 山スキー

◆日程:2017/5/3-6
◆形態:山スキー
◆ルート:朝日岳・五輪山・雪倉岳山
◆人数:3名
■報告
北ア・朝日岳・五輪山・雪倉岳山スキー
日程:5/3~6
メンバー:T野・Ⅰ崎・A原

報告 T野
今年のGWの後半は久しぶりに楽しめそうな天気が期待できそう・・・。ならば、去年行くつもりだったが雪不足と天候不順で諦めたここに行くしかない!!ということで行ってきました。おかげさまで充実しました。天気も良くて、新たに五輪山の山頂も踏むことができました。最終日ちょっと降られましたが、まあご愛嬌、恵まれたGWでした。では報告です。

5/2
テントを背負っての山スキーは実に3年ぶり、実に重い、これ持って本当に歩けるのか?!!東所沢でA原さんと合流し、松井田妙義ICで昭和村から来るⅠ崎さんと合流し、T野車をデポ(松井田妙義ICに無料駐車場がある)してⅠ崎車で現地に向かう。現地近くの某所で仮眠。

5/3
朝の栂池スキー場は山スキーヤーでにぎわっていた。元会員のY田さんと偶然会い、彼らは栂海新道を目指すそうだ。ゴンドラ・ロープウェイを乗り継いで栂池平を出発。白馬・唐松・五竜・鹿島槍などの後立山連峰の大パノラマが広がるが、私にとっては見慣れた風景ということもあり、大きな感動はない。天狗原まで1時間半で登り、振子沢を滑降する。意外に雪質が良く重荷でも上部は快適に滑る。下部はトラバースが多くそれなりで1時間ちょっとで蓮華温泉に到着。思った以上に順調だ。ここで3日分のビールを仕入れてさらにザックが重くなる。ここから兵間ノ平までの推進滑降がちょっとした登りもあって思った以上に長い。兵間ノ平から瀬戸川への急斜面を滑り下りれば、あともうひと踏ん張りでベース のヒョウタン池に到着。ここは水も採れて雪倉・朝日・五輪の日本屈指の大斜面にに無理なくアプローチできて素晴らしいベースだ。今日ここをベースにしたのは我々含めて4パーティー、蓮華温泉のにぎやかさと比べれば少し奥に入っただけで静かなものだ。さあー、大仕事は終わった!!冷たいビールが旨い!!今日のご褒美とばかりに雪でテーブルを作って外宴会を楽しむ。明日からは日帰り装備で朝日・五輪・雪倉を滑りまくろう!!

■コースタイム
栂池平(9:15)~(10:15)天狗原(10:45)~(11:55)蓮華温泉(12:30)~(13:15)瀬戸川の橋~(14:20)ヒョウタン池

5/4
4時起床、6時出発、天気は快晴!!今日は朝日岳と五輪山の継続滑降の予定だ。まずは、猫に似た岩の左の斜面から登り始める。徐々に広大な雪の砂漠になり傾斜の緩い雪原と傾斜のある斜面が交互に現れる。明日滑る予定の雪倉北面の沢を分けると朝日岳東面の急峻な地形が近づいてくるが、それを嫌って北側から回り込むように登って行く。それにしてもこの一帯、どこを見ても素晴らしい斜面が目白押しでまさに山スキーパラダイス!!広大な斜面を歩くこと4時間ちょっとで朝日岳に登頂。新鮮な角度から剣岳や毛勝、それに雪倉・旭・白馬・小蓮華などが見渡せ気分がイイ。特に旭岳の鋭峰が目を引く。さらに目を転じれば頸城の火打・焼・妙高・乙妻・高妻・雨飾なども特徴のある山容で高さを競っていて、日本海も今日ははっきり見える。満足満足、みんなで写真を取り合って山頂でしばし寛ぐ。さーて今日の第一ステージ、そろそろ行きますか!!朝日岳北東斜面にシュプールを刻む。雪質も気持ちいいザラメで斜度もちょうど滑り頃!!苦労して登った斜面も滑ればあっという間だ。標高2000m付近で斜面が緩くになってきたので、ちょっと目立つダケカンバの樹が末端にある尾根からシールオンして五輪山を目指す。朝日の山頂から見ると五輪山の山頂付近は結構ブッシュが出ていて、南東面の3段カールを滑るにはちょっとルートファインディングが必要だ。我々は五輪山の西の鞍部に上がる尾根を2150m付近まで登り、比較的傾斜の緩いところを五輪山南尾根まで大トラバース、10m位藪を跨ぐと注文通り五輪山
南東斜面に入ることができた。ここから軽く1ピッチ登れば登山道のない五輪山山頂に登頂!!私にとって初めてのピークなので嬉しさもひとしおだ。さっき滑った朝日岳北東面が眼前に見えて気分が良い。さていよいよ今日の第2ステージ、五輪山南東斜面の滑降だ!!ここは凄い!!マジ凄いのだ。何が凄いかというと、急緩急緩急緩と3段のカール状の斜面でベースのヒョウタン池までの標高差900m、すべて滑りごたえのある大斜面で構成されているのだ。普通の大斜面なら上部はいい斜面でも、下部に行くにつれ傾斜が落ちたり、狭い沢筋になったりで、少なからず消化試合的滑降が伴うものだが、ここは違う!!消化試合がまったくないのだ。ビューンと滑り降りればハイ、「そこはベースのヒョウタン池!! 」なのだ。雪質も、南東斜面ということもあり期待していなかったが、これが何と、上部はメンツルザラメで超快適!!さすがに最後の方は雪面が凸凹してくるが、雪が柔らかいので充分対応できる。最後の最後で近道しようとして逆にハマリ少し時間をロスしたが山頂から滑り始めて、1時間後にはベースでビールで乾杯していた。「あぁー充実感いっぱいだ!!さあ、今日も昼から外宴会だ!!」
自画自賛だが、今日のルート、ホント最高です!!一般的な朝日岳の往復だと、下部が緩傾斜で、消化試合になってしまうが、今回のように朝日岳のオイシイところを滑って、五輪山に登り返せば、標高差約1500mすべてが最高の大斜面で弛んだ部分が全くないのです。さらに、五輪山はまだ穴場的な山で、静寂を保っていて、GWにもかかわらず、今日ここを滑ったのは、我々以外に2人だけ!!自分たちのシュプール痕をしっかり残すことができました。こういうルートは日本中捜してもそうはないと思いますよ。ということで、このルート超お勧めです。

■コースタイム
ヒョウタン池(6:05)~(6:50)雪倉北面の沢出合~(10:20)朝日岳(11:00)~(11:20)ダケカンバの樹のある尾根取り付き(11:30)~(12:25)五輪山(13:05)~(13:55)ヒョウタン池

5/5
3時起床5時10分出発、今日は雪倉岳を北面から目指す。標高差は約1250m、余力があれば下山後、明日の天候悪化の予報を考えて蓮華温泉まで行く予定だ。昨日、猫岩の左を登って結構大回りをしたように感じたので今日は猫岩の右側から登る。やがて雪倉北面の沢に入れば、後はこれを詰めていくだけだ。約2時間で赤男山南側の鞍部に詰め上げると能登半島がくっきり意外な近さに見えた。それにしてもここまでなかなかいいペースだ。ここからは傾斜が急になり夏道は東側を大きく巻く斜面を直登。ここは下から見るより急峻で、デリケートなシール登高になる。クトーを効かせて滑落に注意しながら一歩一歩慎重に登って東側の緩傾斜帯に達すればようやく一安心。あとはひたすら夏道のある尾根を登ると9:35つ いに雪倉岳山頂に到着。予定より30分以上早く着くことができた。今日は少し雲が多く、白馬岳や旭岳の山頂付近は雲がかかっている。風も強いし予報より早く天候が崩れるのかもしれないので、写真を撮ったらさっさと降りよう。9:45雪倉岳を出発。北面なのになぜか昨日よりも雪が重く多少引っかかるが、何しろロケーションが素晴らしい!!蓮華温泉から直接登れる東面ルートはシュプールでギタギタになっているが、ここ北面はほとんどまっさらな状態で登りに使った尾根の右の大斜面を快適に落ちていく。途中、登りで苦労した急斜面でA原さんが転倒して、そのショックでTLTビンディングのヒールピースが破損、ヒールが固定できなくなるというアクシデントが発生する。しばらく捜したがヒールピー
スは発見できず、ここからA原さんは片足はヒールフリー状態
で滑ることになる。しかしさすが場数を踏んでいるので大した影響もなく、何もなかったように滑ってくるのはさすがですね!!ここからもいい斜面が続き傾斜が落ちてくればベースのヒョウタン池はすぐそこで、11:00に到着。予定より2時間以上早い到着に気を良くしてまずはビールで乾杯!!ベースを撤収して11:45蓮華温泉に向け出発。瀬戸川の橋までは意外に早く着いたが、ここから蓮華温泉までが意外に長く感じ、結構へばる。兵間ノ平までの急斜面はツボ足で登り、ここから再びシール歩行。ここからは軽装なら散策気分で歩ける所だが、重荷が堪えて、ただの修行だ。荷物の重さでこうも違うものか?14:00に蓮華温泉に着いたときはしばらく放心状態.。2日連続の標高差1500m越えは充実感満点だがこれ以上は もういいかな。楽しみにしていた温泉も、露天風呂には登らないと行けないで内湯で我慢した。でも3日ぶりのお風呂は獣から人間に戻るようで気持ちイカッタ。

■コースタイム
ヒョウタン池(5:10)~(7:10)赤男山南側の鞍部~(9:35)雪倉岳(9:45)~(11:00)ヒョウタン池(11:45)~(14:00)蓮華温泉

5/6
3時に起きた時は星が輝いていて「ラッキー!!予報が外れた!!」と思ったのだが、5:30に出発して間もなく青空も覘くが雨も降る、という変わりやすい天気になる。やはりそうは甘くない。5/3に滑ってきた振子沢を黙々と登るうちに、いつしか本降りの雨に・・・・。まあ、昨日、一昨日といい思いをしたのだから甘んじて受けよう。それにしても天気予報、驚くほど正確です。それに最終日なのになぜか荷物がまだ重い。「酒のないし、食料や行動食も減ってるのに変だなぁー。」修行を覚悟して登ること3ピッチで天狗原に到着。もう、終わったようなものだ。あとは荒れたゲレンデと化した天狗原の斜面を惰性で滑り降り、ロープウェイ沿いの沢沿いを滑り下りれば9:20、ゴンドラトップに到着して充実の4日間が終わった。その後、温泉に浸かり、白馬飯店でオイシイエビそばを食べて、明日もう一日あるので交通費をケチってすべて下道で帰路に着いた。

■コースタイム
蓮華温泉(5:30)~(9:20)栂池スキー場ゴンドラトップ

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